こだわりの「パッチおざぶ」が人気 布団・座布団店「はせ川」(行永東町)【舞鶴】
投稿日時:2007年06月22日(金)
行永東町の布団・座布団店「はせ川」(長谷川清隆社長)が1枚1枚独自に手作りする座布団が、都市部の人たちに人気となっている。持ち込まれた古い着物をパッチワークのようにし、昭和30年代の懐かしい暮らしをイメージしたデザインの「パッチおざぶ」が話題を集める。大阪や東京などの百貨店からの問い合わせと出店が相次ぎ、京阪神から古布を持参する人も増えたりと、舞鶴からこだわりの座布団を発信している。 昭和57年に開業した長谷川さんは、手仕事の大切さと、母が使っていたころの色や柄の座布団づくりを一貫して守る。持ち込まれた古布や大漁旗を再利用し、化学繊維ではなく綿を入れ、パッチワークのように仕上げる。各地の祭礼や時代衣装などを参考に、「懐かしさと美しさ」を兼ね備えた色合わせとデザインを考案する。パッチおざぶは1枚3200円~1万6000円程度で販売する。 大手寝具メーカーの大量生産品が主流を占める中、地道なもの作りが、昨年7月に日経流通新聞で取り上げられ、大阪梅田阪急百貨店から問い合わせがあり、続く9月に1週間出店した。多くの来店者から懐かしいと反響を受け、商品が間に合わないほどの売れ行きとなり、今年も東京の東武百貨店、福島のデパート、今月は神戸阪急百貨店と出店が続く。 出店がきっかけとなり、西宮市や大阪市などから舞鶴への来店者が増え、古布を持参し婚礼道具に作り替えてとの注文が入るようになった。交野市の女性からは母親の形見の着物が持ち込まれ、布団にしたが「母の温もりを感じ声が聞こえてきそう」と礼状が届いた。大阪の落語家が訪れ、高座で使いたいとパッチおざぶを購入した。 長谷川さん(58)は「もの作りが好きで、『おばあちゃん家の座布団』にこだわってきた。昔のよさをいまの時代に合った形で伝えていきたい」と話していた。
【問い合わせ】電話62・5710、同店。
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