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【年賀特集号】郷土の未来大いに語る-山田知事と府内5地域紙代表との新春座談会-

【年賀特集号】郷土の未来大いに語る-山田知事と府内5地域紙代表との新春座談会-

投稿日時:2017年01月01日(日)

和やかな雰囲気の中で行われた座談会

松本 泰(舞鶴市民新聞社) 

~北部発展の拠点へ~ 
 京都府内の地域紙5紙(あやべ市民新聞社・両丹日日新聞社・城南新報・洛南タイムス社・舞鶴市民新聞社)の共同企画「山田知事と府内5地域紙代表との新春座談会」を開催し、山田啓二京都府知事(62)にインタビュー取材を行った。「もう一つの京都」構想を進める京都府。その将来像や各地域の魅力について、各地域紙の視点から見る地域課題について、知事に迫った。

(松本)今、舞鶴市はご承知頂いている通り、交流人口300万人、経済人口10万人の街を目指し様々な事業を行っている訳ですが、その中で港の果たす役割というのはこれまで以上に大きくなっています。
 国際埠頭が出来て以来、京都舞鶴港の持つ可能性がどんどん見えてきているような、そんな明るい1年だったと考えますが、港の今後の展望を知事としてどうお考えか聞かせて頂きたい。
(知事)京都舞鶴港というのは京都北部の発展の可能性を支えていくものでないといけない。もちろん産業の面でいうと輸出港となる訳だから、長田野(福知山)や綾部の工業団地をはじめとして、そういったものとリンクをした、まさに京都北部産業の玄関・物流の中心としての役割を果たしていかなければならない。フェリーがようやく就航しましたが、物流の中心として、京都縦貫自動車道や舞鶴自動車道の整備に努めてきた結果、北陸自動車道も含めて、1つのハブになってきて、物流の未来が開けてきた。この点では大変大きな役割を果たしている。
 それからもう一つは、エネルギー基地ですね。
 LNG、バイオマスとか、エネルギーの拠点としての京都舞鶴港の役割が増えていく。今までの海上自衛隊や海上保安庁といった安全の要から、今度は産業の要、物流の要、そしてエネルギーの要、観光の要という形で、北部発展の可能性の軸を京都舞鶴港が握っていると言っても過言ではない。
そういった観点からの非常に多様な拠点としての、まさに飛躍の年にしていかなければならないなと思います。
(松本)その中でもクルーズ船に関しては来年約40回寄港します。クルーズ船観光に対してはどうですか?
(知事)クルーズ船を中心として観光の北の玄関になっていかないといけない。これも北部にとっては大きな役割を果たしていくでしょう。北の玄関として役割が本格化するのが今年かなと思う。ぜひとも舞鶴を始め北部の人はクルーズに乗って頂きたい。
その流れの中で見えてきた課題もあると思います。
一つは北部に本当の意味で外国人を受け入れること、泊まる場所が少ないということ、北部に来た人たちが何を買うのかなど、そういうところについても弱い。
 北部に来た時に、どういう形であそこで消費をしてもらうのか、という舞鶴港を中心とした体系的戦略というものを作っていかないと、せっかく来たクルーズ観光客が、京都市内にみんな行っちゃう。
 クルーズ船が来たら大型バス5、60台が動く。かといって5、60台という大型観光バスを受け入れる場所が、福知山や綾部や宮津にあるのか。だから結局はオプショナルツアーの一端を担うだけになっちゃう。せっかく、そういったものが来ているのに、それを活かせる施設というものが北部にはない。やはり、舞鶴の受け入れ環境を整備しないといけない。
 今はイートインの時代だから舞鶴とれとれセンターを中心とした「イートイン街道」なんか良いね。
 舞鶴を走ったら中古車センターばっかりじゃない。車のディーラーではクルーズ客は見向きもしないよね。

~北部地域連携の必要性~ 
(松本)海の京都以来、非常に市民の肌感覚からするとものすごく観光客が増えているように思います。
(知事)そうですね、実際増えてますね。
(松本)数字でも出てますね。知事は地域に根差したいわゆる着地型観光に対して、どうお考えですか。今まで歩いているはずのなかった所に観光客が歩いている。そういう光景をどんどん見るようになってきて、我々市民の間でも、いよいよこの観光というものに対して、何か次の新しい扉が開かれるんじゃないかという期待感が出てきているように思うんです。
 ただ一方でいつまで続くんだろうと。
 なんとかして、この空気が熱いうちに色々な事を仕掛けていって、どんどんと舞鶴に広がっていくようにしていかなきゃならないという、危機感を感じています。
(知事)着地型観光にするのには、まず1つの大きな問題としては、ビジネスホテル系が中心で観光客が泊まるようなホテルが舞鶴に無いこと。白糸があったんだけど、白糸を失ったのは大きいなと思う。
 さっきも言ったように、とれとれセンターを中心にイートインというのもあるんだけど、市として、せっかく引揚記念館や赤れんががあるのに建物の集積はパラパラとあって、1つの集積になっていない。
 当然まちづくりというのもあるんだけれど、これを機に、もし1000人規模が入ってきた時に、売る物はなんなのか等、こういった点をぜひとも、もう一回考えて頂きたい。
 特に舞鶴港を中心とした1つの物の売れるゾーンができあがってくると思います。
 そこを中心とした戦略、または食べられる物のゾーンを中心に。そしてそれに泊まれるものがくっついてくると、クルーズとしては最高ですよね。美しいし。
 そして京都と舞鶴の間が本当に近くなっちゃいましたからね。そういったものを活かしていける体制を作っていってもらいたい。
 あと海の京都で一番良かったのは、海の京都DMOが出来たように、バラバラだった北部が一つにまとまったこと。こうなれば、活かし方はいくらでもある。だから、海の京都DMOを中心とした新しいマーケティングをやって頂ければ、全てが上手くいきますよ。
 本当に北部というのは、魅力的な地域です。自信を持っていい地域だと思います。
 それを活かすのは、北部の連携共働の中にしかないと思います。
 ぜひとも舞鶴と綾部と福知山、その連携都市圏を進めて頂ければ、非常に素晴らしい地域になると思います。

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