「食」で健康に
食生活指導士・谷口さん
男性向けの「ヘルシオ料理クラブ」開講
みんなで取り組む減塩レシピ
投稿日時:2022年04月19日(火)
健康寿命の増進が社会の大きな課題となる現在。地元食材を使ったレシピ紹介などで知られる食生活指導士の谷口久美子さんが、男性の料理教室「ヘルシオ料理クラブ」を立ち上げた。「食」に対する市民意識の向上に向け、専門家の新たな奮闘が始まった。
「“食”という字は、人を良くすると書きます」と話す谷口さんは、長年に渡って料理の世界に身を置いてきた。考案したレシピは数知れず、「広報まいづる」で連載してきた「まいづるレシピ帖」では、市内でとれる食材を使った60品以上を紹介。今月でその連載は終了を迎えたが、意欲的な活動は今なお続いている。
以前、自身の主宰する料理教室の受講生が前立腺がんを患い、その治療過程での検査結果が、次第に良好なものへと転じたことがあったという。「何かされているのか」と医師に問われた受講生が、「料理教室で教えてもらった減塩や糖質オフの料理を家でも作って食べている」と答えると、「良くなっている理由はそれですね」との返答。後でそのことを伝え聞いた谷口さんは、改めて食の大切さを実感し、減塩の料理を披露する「ヘルシオ料理クラブ」の立ち上げにつながった。
【楽しみながら減塩料理】
クラブ初めての講座が開かれた12日。城南会館に集まったのは、平均年齢が70歳を超える男性たち。料理の経験が様々な受講生らは、それぞれエプロン姿で楽しげな料理時間を満喫した。
この日のメニューは「豚平焼き」「キャベツとベーコンのクリーム煮」「春キャベツと餅の油揚げロール」の3品。
「なんでも値上がりしますから、出来るだけ洗わなくていいように」と袋に入ったままのベーコンを切る「裏技」を紹介したりしながら、にぎやかな講座は進んでいった。
谷口さんの教室に通い始めて7年になる打田俊夫さん(72)は、クラブの世話役を務める古株。得意料理はギョーザで、孫が遊びに来る時などには200個ほど作るという。もともと単身赴任が長く料理が好きだった打田さんは、「仲間と一緒にワイワイしながら色んなレシピを覚えられる。とても楽しい場所です」と笑顔を見せる。
5年程度通っているという西門巖さん(77)は、「先生が準備をしてくださって、楽しいところばかりをやらせてもらえる。いろんなレシピに取り組むことが出来て面白い」と充実感を漂わせていた。
「病院にお金を使うより、食にお金を使った方が健康にいい」と話す谷口さん。健康寿命の延伸に向けて、その存在感は強くなるばかりだ。
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