「聖母の小さな学校」スポーツ・フェスタ 卒業生や市民ら競技に参加、励ましのエール【舞鶴】
投稿日時:2007年10月16日(火)
不登校の児童・生徒のための民間教育施設「聖母の小さな学校」(梅澤秀明・良子さん代表)のスポーツ・フェスタ2007が10月13日、上安の同校グラウンドで開かれた。卒業生や学校関係者、市民ら約70人が駆けつけ、この場に立つことができなかった生徒へ向け、競技に参加しながら励ましのエールを送った。出場できなくても、自分を見つめてテーマを考えるプロセスを大切にする聖母の教育を体現した取り組みになった。 同フェスタは準備の段階でいまの自分の心を見つめ、仲間たちとの話し合いを通してテーマを決め、会場に展示する絵に表現する共同作業を体験する。当日は手話歌を披露するなど、人前に出ることが苦手な生徒には大きな挑戦にもなる。 今年は中・高校生ら6人が在籍する。フェスタに向け生徒らは、不登校の苦しさを1人で抱え込み、やがてだれも必要としない、もう考えまいとした自分と向き合った。そして「いま自分の苦しさを話して、心底楽しくすごしたい」という思いをテーマにするまでに至り、手話歌の練習にも取り組んだ。 14回目のフェスタには、岡山や仙台から大学生や社会人の卒業生、和歌山からはOBの母親、多くの支援者らが参加。開会式で梅澤秀明さんは「今日は現役の生徒は1人も出場していません。生徒がいない行事はありえないのですが、それこそ聖母の教育を示すものです。結果ではなく、成長するプロセスが大切なのです。苦しんでいる生徒に温かい拍手を送ってほしい」とあいさつした。 参加者たちは障害物競争などに出場して歓声を挙げ、卒業生らは「愛の讃歌」を手話歌で披露するとともに、聖母での体験を紹介し、「聖母にいたからこそいまの自分がある」と語った。毎回参加する元中学校校長の青木信一さんは卒業生の姿を目にし、「人前で話せなかった子供たちが自分の思いを伝えることができた成長に感銘を受けました。きっと在校生にも大きな励ましになったと思う」と話した。 聖母の小さな学校は、学校へ行きづらい子供とその保護者のための親子行事を、11月3、4日の1泊2日、兵庫県香美町の美方高原自然の家とちのき村で開催する。 同学校では不登校の児童・生徒と保護者が共に歩む姿勢を大切にし、親が子供を理解しともに考え悩む指導をしている。 今回は府教委のフリースクール連携推進事業として、野外での炊事や散策、中学校教頭との懇談などをする。対象は小・中・高校生と保護者。保護者のみの参加もできる。参加費は子供4000円、大人4700円。申し込みは10月31日までに同学校(電話77・0579)。
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