「浮島丸事件」追悼事業の遺志引き継ぐ 前会長・野田さんを偲ぶつどい 【舞鶴】
投稿日時:2006年05月16日(火)
終戦直後に多数の朝鮮人らが朝鮮半島へ帰国途中、舞鶴湾で亡くなった「浮島丸事件」の犠牲者の追悼に取り組む「浮島丸殉難者を追悼する会」の前会長、野田幹夫さんを偲ぶつどいが5月14日、浜の勤労者福祉センターで開かれた。野田さんと親交のあった在日韓国・朝鮮人、市民ら約50人が出席し、明るく温和な人柄を語り合うとともに、追悼事業の遺志を引き継ぐ気持ちを新たにした。元中学校校長の野田さんは、第2次世界大戦を背景に起きた浮島丸事件の存在を知り、1963年から追悼に関わり、殉難の碑の建立や映画ロケの運動、国際シンポジウムなどに取り組んだ。昨年11月に78歳で亡くなった。同会主催のつどいでは出席者らが黙祷と献花をした。続いて新会長の余江勝彦さんが「追悼事業を全うされたことに敬服している。野田さんに叱られないように東アジアの平和を訴えていきたい」、駐大阪大韓民国総領事の金庚壽(キム・キョンス)領事が「野田さんの隣人を愛する精神が継承され、今後も韓国と日本の国民をつないでほしい」と述べた。その後、野田さんらと訪韓した会員の永井小夜子さんが、「韓国での交流で子供のようにうれしそうな顔や、夜中に酒盛りをしたことを思い出します。いまも飲んでおられますか、テニスをしておられますか。心からありがとうと伝えたい」と思い出を語った。最後に長女の千鶴さんが「上映された映像のスクリーンから、いまにも父が出てきそうでした。多くの方にご供養をいただきありがとうございます」とお礼を述べた。
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