「殺菌冷却海水・流動海水氷製造装置」 田井漁協が市内の漁協で初めて導入【舞鶴】
投稿日時:2005年01月21日(金)
田井漁業協同組合(水上隆夫組合長)が、「殺菌冷却海水・流動海水氷製造装置」を舞鶴市内の漁協で初めて導入し、今月から使用を開始した。汲み上げた海水を紫外線で殺菌して冷却させ、さらにシャーベット状の氷を製造する。出漁する漁船や出荷時のトロ箱にこの氷を使うことで、魚を傷つけずに急速に冷却できるため、鮮度保持が従来の砕氷に比べて高く、殺菌により食中毒の予防に効果を発揮するメリットがある。付加価値を高めた水産物の提供を目指す。同組合は田井沖合に大型定置網2カ統を設置、カタクチイワシやマグロ、アジなどを水揚げする。特に冬場は昔からブリの好漁場として知られている。また、漁獲した魚を自ら干物に加工し販売もする。従来は漁船のハッチに積み込んだブロック状の砕氷と冷海水で、漁獲した魚の鮮度保持をしていたが、ハッチ内で温度差が生じ鮮度にもムラがあった。また、出荷時にも鮮度を保つよう、トロ箱に淡水からできた砕氷を入れているが、氷が溶けだすと魚体が変色し、せり値に影響した。鮮度保持を高めるのに、ここ2、3年で普及が始まったのが同装置。府内では2003年に伊根町漁協の本所など4カ所で導入された。田井漁協では1日に10トンの流動海水氷(フローアイス)を製造できる装置(幅約5.4メートル、高さ約2.6メートル、奥行き2.5メートル)を荷捌き施設内に設置。総事業費は約2700万円。この内、国と府、市で約7割を補助した。ホースから海水を汲み、濾過・殺菌を経て冷却して貯水。その後、製氷ドラムで流動海水氷を製造し貯氷する。固い砕氷に比べ魚を傷つけず、自然の海水を使ってマイナス2度にまで凍らせた海水氷は、シャーベット状で全体をすっぽりと覆い、従来の砕氷より3、4倍も冷却速度が早く、2、3日経っても鮮度が落ちないとされる。さらに、急激に冷却された魚は血を出すことで生き締めができ、生臭さを減らせることができる。ただ、魚種によっては急速冷却により色落ちするものもあるという。実際に船のハッチでこの氷を使う時には、水揚げ量を考慮しながら冷却海水を併用して使っている。ブリやマグロなどの鮮度保持に効果を見せている。定置網漁を操業し同装置を運用する「田井水産有限会社」の田中康雄社長(48)は、「鮮度保持だけでなく、殺菌することで魚の安全性も高めることができます。今後はさらに装置の有効な利用を考えてきたい」と話していた。
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