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「ワークショップほのぼの屋」施設長・西澤さん ヤマト福祉財団の小倉昌男賞を受賞【舞鶴】

「ワークショップほのぼの屋」施設長・西澤さん ヤマト福祉財団の小倉昌男賞を受賞【舞鶴】

投稿日時:2007年12月07日(金)

レストランで働くメンバーと職員たち。「みんなの努力が評価されうれしい」と話す西澤さん(前列右から4人目)/strong>

 まいづる福祉会が運営する「ワークショップほのぼの屋」施設長の西澤心(しん)さん(45)=下安久=が、ヤマト福祉財団の小倉昌男賞を受賞した。全国で唯一、障害者授産施設がフランス料理のレストランやウエディング事業を手掛けるなど、障害者の雇用創出や自立支援に努めたことが認められた。西澤さんは「全員でいただいた賞。みんなの努力が評価されうれしい」とする。12月5日、東京都内での贈呈式に働く仲間らと臨んだ。  同財団は障害者の社会参加の支援を目的に、ヤマト運輸の故・小倉昌男会長が個人資産を寄付し、1993年に設立。障害者の雇用などに取り組んだ功労者へ、小倉氏の名前を冠した同賞を贈っている。8回目の今年は2人が受賞した。  レストラン誕生のヒントは98年の古本屋の開店。従来の授産施設で障害者は低賃金しか受け取れなかったが、「もっと給料を」との願いに応えようと、多くの利用者の店をやりたいとの希望で、資源回収の在庫本を活かし、古本などの販売を開始。店を拠点にリサイクルプラザなど様々な仕事をし、賃金も5、6万円とアップした。  するとお洒落をしたり飲みに出掛けたり、貯金をして車を購入するなど生活が変わる姿を目の当たりにした。西澤さんは「お洒落に興味がなかったわけではなく、お金がなかったからできなかった。活き活きとする顔を見て経済的基盤の確立が大切と実感した」とこの体験が転機になった。買い物を通して福祉とは縁のなかった地域の人たちとの交流も生まれた。  こうした成果を踏まえて、障害者らの食への関心が高いことから、レストラン事業に向け職員らでプロジェクトを立ち上げた。多くのアドバイスを受け、フレンチの店にとアイデアが固まり、市民たちから募金も得て、2002年大波下にほのぼの屋を開設。味とサービスで勝負できる店にと調理補助や接客、清掃などでスキルアップし、5年半で来店者は約7万5000人を数えるまでになった。  昨年、隣接地にホテルを開業、食事と宿泊のセットのサービスを始め、シェフの糸井和夫さんのつながりで京阪神からの来店と宿泊者も増える。また、開店時からレストランで結婚式を引き受けるが、最近では職員自らが式のプロデュースまでこなし、100組が式を挙げた。  いま障害者のメンバー20人が働き、多い人で月10万円を超す給料を手にする。障害者福祉にフレンチ、ホテル、ウエディングのビジネスを持ち込む異色の実践は、全国からの視察が続く。  西澤さんは「レストラン開店時、忙しくて何の援助もできなかったことで、メンバーたちは自分で考え働くようになった。プロ意識を持って働くメンバーと職員は僕の誇り」と話す。活動の原点となったまいづる共同作業所の開設30周年の年での受賞に対し、「みんなと歩んできたことが評価されたのだと思う。ここまでこれたのも多くの人の支えがあったからこそです」と感謝の気持ちを述べた。  12月9日の同30周年記念のフォーラムで受賞を報告する。

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