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「ギャラリーサンムーン」300回目の作品展 3月4日まで川上澄生版画展【舞鶴】

「ギャラリーサンムーン」300回目の作品展 3月4日まで川上澄生版画展【舞鶴】

投稿日時:2007年02月23日(金)

展示された川上さんの版画「イソップものがたり」

 国内外の作家の作品を紹介している浜のギャラリー・サンムーン(佐藤保明代表)が、1997年のオープンから300回の作品展を迎えた。その記念の作品展で、木版画の詩人と称される川上澄生のイソップものがたりの版画を展示している。風刺を込めた寓話に添えられた挿絵からは素朴な温かさが伝わる。様々なアートに触れることができる身近で貴重な文化拠点として、今夏には10周年も迎える。  舞鶴で本物の芸術を見てほしいと、画廊の開業を決意した。最初は著名な画家の絵画を主としていたが、陶芸やガラスなど工芸にも広がった。作家が次の作家を紹介してくれたり、時には来場者が作家を教えてくれたりと、多方面のつながりができた。映画上映の事務局を引き受けた縁で、女流陶芸家の草分けの神山清子さんの展覧会も5月に実現する。  文化勲章受章作家のほかアマチュアの市民、スペイン在住の日本人画家、人気の銅版画家・山本容子さんら、どの作品展も印象に残る。なかなか発表の機会のない伝統工芸や現代美術の紹介、舞鶴在住の若手作家や新しい才能の発掘にも力を入れる。来場者は作家との出会いとともに、温厚でアートを愛する佐藤さんとのおしゃべりも楽しみに訪れている。  300回目は川上さん(1895~1972年)を取り上げた。高校の英語教師をしながら版画、油絵、絵本などを創作し、専業作家になったのは63歳から。遊び心で作った版画は異国情緒とユーモアなどに溢れる。31歳で作った「初夏の風」を見て、棟方志功が版画家を志した。  「イソップものがたり」の版画は、菊地侃(すなお)の本の口絵と挿絵として1947年に制作、76年に刊行した作品。佐藤さんがオークションで入手した自身のコレクションを展示した。生きる教訓と風刺に富む「ウサギとカメ」「コウモリ」など20話の挿絵が並ぶ。  佐藤さん(58)は「始めたころは1年も続かないと言われたけれど、1回1回全力投球でやってきた。無心だったことと、作家とお客さんに喜んでもらえることが励みになり、その積み重ねで続けてこれた」と話す。  今作品展は3月4日まで。午前10時~午後7時。入場無料。火曜休み。
【問い合わせ】電話63・4858、サンムーン。

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