短歌と足跡刻み後世に 歌壇活躍の西村さん偲び 朝代神社に歌碑建立 飛聲短歌主宰、大学で教鞭も【舞鶴】
投稿日時:2015年07月28日(火)
飛聲(ひせい)短歌会を主宰し、昨年11月1日に79歳で亡くなった西村尚(ひさし)さんの歌碑が完成し、宮司を務めた朝代の朝代神社境内に建立された。神社の森に来るフクロウを詠んだ短歌が石に刻まれた。舞鶴にいながら中央歌壇でも活躍した西村さんを偲び、教えを受けた人たちが集まり、7月20日に除幕式が行なわれた。西村さんは舞鶴市出身。西舞鶴高校在学時から和歌の方面で才能を評価された。国学院大学大学院博士課程を修了した後に帰郷。福田栄一氏に師事し、95年に飛聲短歌会を結成した。第1歌集「少し近き風」を出版し、2012年には最後となった第6歌集「瑞歯(みづは)」を出した。地方のみならず中央歌壇でも作品や評論を発表し、後進の指導にも励んだ。京都市の白峯神宮の宮司や、京都創成大学(現・成美大)で国文学などを教える教授も務めた。日本文藝家協会と現代歌人協会の会員。西村さんの短歌の歌碑は白峯神宮や佐渡島など3カ所に立つが、生前に朝代神社にもあればと話していたことから、妻の美濤(みなみ)さん(73)が短歌会の教え子たちの協力を得て鳥居前に建立した。碑は幅約1・5メートル、高さ約1・4メートルで黒御影石。数多くある歌の中から朝代神社に関係する歌を選んだ。「三日月の おぼろの夜や 梟は今年はじめて 森番をなす」の短歌が、西村さんの筆致で刻まれている。除幕式には短歌関係者や友人ら約60人が出席。美濤さんは「生前に朝代神社にも歌碑が1つあればと言っていた。夫の文字で残すことができうれしい。みなさんに感謝しています」と話していた。
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