伝統の志 次代へ西高剣道部 OBが部旗を贈呈
投稿日時:2023年07月25日(火)
初めての近畿大会出場
後輩に託す「夢のつづき」
西舞鶴高の剣道部がこのほど、創部以来初めてとなる近畿大会出場を果たした。
奈良県で16日、17日に開催された大会は残念ながら予選リーグでの敗退となったが、会場には同部OBの思いを集めた部旗がはためき、選手や関係者らは更なる飛躍を誓い合った。
今回、創部以来初めてとなる近畿大会出場をつかみ取った団体戦のメンバーは、大将を務める主将の中村煌喜さん(3年)をはじめ、先鋒の荒木柊人さん(1年)・次鋒の髙田瑛斗さん(2年)・中堅の山本大翔さん(同)・副将の小西悠徳さん(同)の5人。総勢5人の部員は、全員が市内中学校の出身だ。
ぎりぎり団体戦に出られる陣容で、しっかりとした稽古時間を確保できるような体制にもないという同部だが、効率の良い練習を心がけてしっかりと取り組んできたという。
その甲斐あって、着実に成長を遂げていった部員たち。ノーシードで臨んだ6月の京都府予選では、1回戦で城南菱創高に、2回戦では同志社国際高に勝利。3回戦ではシード校の南陽高にも勝ち、準々決勝に駒を進めた。
その後、強豪・東山高には2対3で惜敗するも、ベスト8入り(男子団体6位)を果たしたことで、第61回近畿高等学校剣道大会への出場切符を手中に収めた同部。京都市内の高校が強豪ぞろいの中、8強に残るのは至難の業で、創部以来初の快挙に関係者らは喜びに沸き立った。
その中でも、後輩たちの大躍進に喜びを爆発させたのが、同部のOBたちで組織する双鶴剣心会。「快挙の報を聞き、いてもたってもいられなかった」という会員たちは、いつしかなくなってしまったという部旗を寄贈することに決めた。情熱的な赤地に力強く書かれた「平常心」の三文字は、往時の部旗と同じ言葉だ。
同会の中心人物で、舞鶴剣道連盟の副会長を務める川島喜則さん(65)は、「私が現役の頃はあった部旗が、今はないという話を聞いていた。これ以上ないタイミングで贈ることが出来た」と話し、「心が乱れていては自分の剣道が出来ない。しっかりと落ち着いて平常心を保ち、もてる力を精一杯発揮してほしい」とエールを送った。
初めて出場した大会は、興国高(大阪)に0対3で、和歌山東高 (和歌山)に0対4で敗北。同部の初めての挑戦は幕を閉じることになった。
唯一の3年生として部を引っ張ってきた中村主将は、「少ない人数ながら懸命に試合に臨み、府代表として近畿大会に出場出来たことにとても感謝しています。近畿大会では力の差を感じたが、この経験を活かして後輩たちもさらに頑張ってくれることに期待したいです」とやり切った表情で話していた。
部旗を通じて再び強く結びついた同部の思い。次なる飛躍を期待せずにはいられない。
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