60年ぶりの行事 俳句に込めて
投稿日時:2020年05月22日(金)
竹竿の先に花をくくり付けて豊作を祈願する「天道花[てんとうばな/てんとばな]」が掲げられた真倉地区で8日、「季刊誌あくあ俳句会」が吟行を行った。天道花は俳句における春の季語。田の神を迎える依代[よりしろ]として、季節のつつじや藤の花を、竹竿の先に束ねて高く掲げる行事。釈迦の生誕を祝う仏性会[ぶっしょうえ]とも関わりがある。同地区では、昭和30~40年頃を最後に長らく途絶えていた。同地区住民らが会員の同句会ではこの行事を復活させようと、平成22年から会員宅に「天道花」を立てて俳句を詠む活動をしていた。新型コロナウイルス感染症対策で自粛が続く中、一ヶ所に集まらなくても真倉地区が一体となって出来る活動をと、同句会の会員らで「真倉元気村」を新たに立ち上げ、60年ぶりに行事を復活。今年は善通寺と各家々の軒先に14本の「天道花」が高く掲げられた。吟行に参加した苳羊右子さんは「いい天気で、天道花の向こうに5月の空が青く広がって、とても気持ちのよい景色に感激。よい句作りができた」と声を弾ませた。
季刊誌あくあ俳句会(苳 羊右子・選)
朝日背に青竹ますぐ天道花
嵯峨根 一正
泥靴を脱ぎて見上げる天道花
坂根 康弘
天道花庭の隅まで掃き清め
瀬野 ちひろ
天道花京街道の元気村
帯刀 勝子
青空に毛槍のごとく天道花
瀬野 尚志
無住寺の天道花を打仰ぐ
苳 羊右子
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