5年目の初受賞 FMまいづる2部門で優秀賞に輝く
投稿日時:2020年06月19日(金)
今春に開局4周年を迎えたFMまいづるが、毎年恒例で開催される第22回JCBA近畿コミュニティ放送賞で初受賞を果たした。節目の5年目に入った地元FMラジオ放送局が成し遂げた快挙に、関係者らは喜びに沸き立っている。
同賞は、コミュニティ放送局が会員となって組織する一般社団法人日本コミュニティ放送協会(JCBA)近畿地区が主催している。 JCBAは2020年5月12日現在、全国で運営される332局のコミュニティFM放送局の内、243局が加盟するコミュニティFM放送局の全国組織。近畿地区には30局が加盟し、こうした放送賞などを通じて互いに切磋琢磨している。2016年に開局したFMまいづるは1年目から同賞に応募しているが、4回目の応募で初めての受賞となった。受賞は情報教養番組部門で「10代のトビラ」が、特別番組部門で「舞鶴引き揚げの日 メモリアルラジオ」が、それぞれ優秀賞に輝いた。「10代のトビラ」=写真(右)=は、少数派である自分を意識しながら過ごしている高校生たちが、今感じていることや社会について自由な発想で発信する番組。「舞鶴引き揚げの日 メモリアルラジオ」は、舞鶴引き揚げの日である10月7日に向けて、舞鶴引揚記念館に関わる様々な人々やメモリーを発信する番組。同局の時岡浩二ジェネラルマネージャー(53)は、「5年目に入り、環境が整ってきた。これまで積み上げてきた成果が形になり、次のステップに向けた励みにしたい」と受賞の喜びを話した。
【ラジオにかけた17年 夢への歩みは今なお力強く】
同局開設時からこれまで、新設FM放送局の基盤づくりに奔走してきた時岡さんは、ラジオに関わって17年になる。生まれは京都市内。兄が一人の二人兄弟で、両親はどちらも教職に就いていた。幼いころから理系人間だった時岡さんは、長じて進んだ群馬大を経て大手電機メーカーに就職。建設プラントのエンジニアに従事しキャリアを積んだが、ブラジル勤務の時に海外の自由な空気に触れたことが、その後の人生を変えた。転機は30歳の時。時岡さんは「大企業の歯車として人生を終えるのはつまらない。生きているうちに自分にしか出来ないことに挑戦しよう」と退職し、アメリカの大学に入学。追いかけた夢は、大学生の時に猛烈に憧れたアメリカのラジオ番組だった。「ずっと先を行っていた海外のラジオ番組づくりを日本で実現したい」という壮大な挑戦が始まった。帰国するやいなや、京都市内の放送局に就職。時岡さんは、当時全国で初めてNPO団体が運営を始めた放送局で、夢への歩みを始めた。以来10数年、同局が着実に実績を積み上げた頃、新たな挑戦が始まった。今度は、京都市内とは全く環境の異なる舞鶴での新たな開局。以前にも増して難題が続く試練の日々。京都市内と舞鶴との移動を重ねる過酷な日常が続いた。そして5年目。ようやく満足いく番組作りが出来る環境が整ってきた。小さな成功体験が一つずつ積み重なり、「舞鶴の人たちの生活の中に、FMまいづるがゆっくり溶け込んでいっているという実感を得られるようになってきた」と時岡さんは笑顔を見せた。今回の受賞で成果の狼煙を上げたFMまいづる。次なる飛躍へと向かう同局を、しっかりと見守っていきたい。
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