舞鶴産メンマ誕生~放置竹林問題の解決に向けて
投稿日時:2020年07月03日(金)
放置竹林問題に取り組む「まいづる竹林整備・竹活用ネットワーク協議会」が、舞鶴産のメンマ作りに励んでいる。市内の飲食店ではこのほど、試作品を使ったメンマ料理がはじめて提供された。
同協議会は昨年、設立5周年の節目に当たり「誰でもできる!孟宗竹からメンマづくり」と題した竹活用講演会を開催した。舞鶴市内には約1300ヘクタールと府内で最大規模の竹林面積があるが、山の持ち主の高齢化などで手入れがされず里山まで拡大している。こうした放置竹を整備しようと、森林組合や行政などが連携して、同協議会は設立された。講師には、福岡県糸島市で国産のメンマ作りを通じて竹林整備に取り組んでいる日高栄治氏(糸島コミュニティ事業研究会主宰)を招聘し、先進事例の紹介を受けた。「糸島メンマ」は様々な商品を開発し、メンマを使った料理を提案するなど、付加価値を創造。今では地域の名産品となり、6次産業化が進んでいるという。同協議会に所属する「池姫竹炭組合(森本周次代表)」では、日高氏から教えてもらった製法で、5月14日に88キロのメンマを仕込んだ。材料になったのは、食べられないから価値がないとみなされている2メートル程度の幼竹。幼竹を伐採することが新たな竹の増加防止につながり、竹林整備に大きな効果があるという。採取した幼竹は、皮を剥いで茹でた後、塩漬けにする。発酵が進み、乳酸菌が豊富な「メンマ」となるには1か月程度を要するという。森本代表(70)は新たな一歩が踏み出せたことを喜び「ここからの活動が大切。協議会で切磋琢磨する他団体と共に、しっかりと歩みを進めていきたい」と前を向いた。
【味よし 歯ごたえよし】
女布にある飲食店「新八」で6月23日、提供を受けた試作品を使った1品を加えた定食を販売した。甘辛く味付けられたメンマを卵でとじた「メンマの卵とじ」だ。店主の高橋和也さん(37)は、「歯ごたえが良く、やはり中国産のメンマに比べると格段に美味しい。調理法も色々と試して、可能性を模索したい」と満足そうに話した。40代の男性会社員はメンマを頬張り、「国産のメンマなんて初めて食べた。すごく美味しくて驚いている」と笑顔を見せた。池姫竹炭組合に属する同協議会事務局長の波多野将秀さん(68)は、「今後も研究を重ねて、新たな製品に開発に取り組んでいきたい」と意欲的に話した。「舞鶴メンマ」が全国的なブランドとなる日を、心待ちにしたい。
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