航跡しるして半世紀
投稿日時:2020年08月18日(火)
舞鶴と小樽を海路で結ぶ新日本海フェリーが4日、第一船就航から半世紀の節目を迎えた。当日は市と府の職員らが中心となり、記念品を渡すなどして乗船者を出迎えた。
1970年8月4日、新日本海フェリーが運航する「すずらん丸」の第一船が日本海に汽笛を轟かせた。軍都・舞鶴が平和の港として生まれ変わり、新たな発展を遂げているさなかの、市民が待ち望んだ歴史的一歩だった。航路開拓に当たっては、日本海側特有の冬の悪天候など課題も多く、決して順風満帆ではなかったという。しかし、日本海側初の長距離フェリーの航路開拓に情熱を燃やした先人の努力で、幾多の困難を乗り越えた。同社舞鶴支店の近江喜彦支店長(64)は、「京都府、舞鶴市、関係各所、市民の皆様のご支援で、この日を迎えることが出来ました。この先も北海道と関西の人流・物流の拠点として、安全運航に心がけていきます」と謝意を述べた。
【コロナ禍乗り越え 輝く未来へ】
この日は、乗船者に飴やメモ帳などが配られ、出迎えたまゆまろやチョキまると記念撮影をする人の姿も見受けられた。京都市内から訪れたという本川真理子さん(40)と新菜さん(10)親子は、家族4人で10日間の北海道旅行に出かけるところだと話し、「記念日のことは全く知らなかったが、自分たちにとっても良い記念になってうれしい」と笑顔を見せていた。記念品をもらって喜ぶ子どもたちを笑顔で見守る人の姿があった。旅客ターミナルの売店で勤務する池田加津馬さん(47)だ。平成3年に入社したという池田さんは、これまで北海道や舞鶴で様々な職務に就いてきた過去を振り返り、「節目を迎えることが出来て感慨深い」と話した。以前は約30時間かかった行程は、高速船の導入で約20時間に短縮されるなど、池田さんの入社時からは運航環境が大きく変わった。そして何よりも今、人類が直面しているコロナウイルスの問題。本来であれば繁忙期である今は250人ほどの乗客があるはずだと言うが、この日の乗客は40人程度にとどまったという。しかし近江支店長は、「対策には万全を期しており、密になりにくい広い船内は、むしろ他の交通手段より安全だ」と自信をのぞかせていた。節目の年は思いもしない荒天となったが、再び荒波を乗り越えて躍動する未来を期待したい。同社は就航50周年を記念して、舞鶴市民を対象に寄港地市民割引を実施する。期間中の全航路と全客室の大人・小人旅客運賃と乗用車・二輪自動車運賃(運転手が対象者である場合)が半額になる。期間は9月1日~17日、23日~10月31日。
詳しくは、[お問い合わせ]TEL:0773・62・3000 同社舞鶴支店まで。
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