カフェレストラン「ほのぼの屋」開業7カ月で利用客1万人突破 市民グループ「えんや」が記念に版画寄贈【舞鶴のニュース】
投稿日時:2003年01月24日(金)
社会福祉法人・まいづる福祉会が運営する大波下のカフェレストラン「ほのぼの屋」が、昨年4月末に開業してから約7カ月間で、利用客が1万人を突破し、建設に協力した市民グループがそれを記念して、世界的な美術家の草間彌生さんの版画作品を1月19日に寄贈した。本格的なフランス料理店として市民の人気を集めているだけでなく、ここで働く精神障害者のメンバーたちにとっては生きる自信を取り戻す場となっている。
市民から2270万円の募金を得て、精神障害者の授産施設と地域生活支援センターが昨年3月に完成した。授産施設の事業として、元京都ロイヤルホテル総料理長の塩原勝さんをシェフに迎え、4月末に開店。店の収益はすべて障害者らの賃金となっている。
舞鶴湾が見渡せる高台で、おいしいフランス料理が安く味わえるとあって、支援者以外にも口コミで市民に評判が伝わり、一時はランチには行列ができ、予約制のディナーは1カ月先まで一杯に。チャリティー演奏会の会場としての利用もあった。食数をカウントした結果、昨年11月末で1万人を超えた。
現在、同店では9人のメンバーが接客と調理補助の仕事で、体の調子に合わせて1日2~7時間勤務。週2~6日間働き、多い人で約8万円の賃金を得ている。ランチの利用も落ち着いてきており、ディナーの予約も平日と日曜日なら取りやすくなってきた。
1昨年、映画「地球交響曲第4番」の上映会の収益金100万円を建設資金として同福祉会へ寄付したコズミックネットワーク「えんや」(西村佳子代表)が、草間さんの版画「花」(10号)を寄贈、同店を訪れて手渡した。草間さんは幼児から幻覚などに悩まされ、病院に入院しながら近くのアトリエで創作を続けている。
国立舞鶴病院精神科病棟の看護師長を務める代表の西村さん(59)=浜=は、「患者さんの中にはここで働きたいと意欲を持つ人もおり、この施設がみんなの希望となっています。ここに来る人たちで花瓶に夢と希望を入れてもらえるように、草間さんの『花』を選びました」と話している。
施設長の西澤心さん(41)は「施設ではなく店として来てくれる人が多く、人気は料理の味に因るところが大きい。自分に自信を失っていたメンバーたちも、ここで働くことで人としての誇りを回復しています。市民のプレゼントにみんなで喜んでいます」と話し、店内に版画を飾った。
写真は版画を西澤施設長らに贈る「コズミックネットワーク・えんや」の西村さん(左端)
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