京大水産実験所・解体取り壊し中の本館 水野さん調査、鉄筋壁に「世界一丈夫なれんが造り」 【舞鶴のニュース】
投稿日時:2003年03月25日(火)
解体取り壊し中の京都大学大学院付属水産実験所(長浜)の本館を、赤れんが博物館顧問の水野信太郎さん(47)が3月22日訪れ、建物の内部構造を調べた。これまでは鉄骨れんが造りと分かっていたが、鉄筋も壁に入っていることが判明した。水野さんは「世界一丈夫なれんが造りとも言える」と驚いていた。
本館は昭和4年(1929)に建設された旧海軍火薬廠の元庁舎で、戦後は京大水産学科の研究室に使われてきた。約20年前に壁の一部をはがすまで鉄骨れんが造りだとは分からず、市内のれんが建造物の調査でも対象にならなかった。
老朽化に伴って京大側が建て替えを計画し、NPO法人・赤煉瓦倶楽部舞鶴が調査と保存を求めていたが、市民の関心も薄く、国内では珍しいモルタル塗りのれんが建造物は3月18日から重機による取り壊しが開始された。
解体中の現場ではれんがの瓦礫が次々と積まれ、まだ壊されていない建物の梁の部分から溝型の鉄骨が見えている。北海道浅井学園大学教授の水野さんがその瓦礫の中から、壁の部分のれんがの間を通る鉄筋を見つけた。地震の多い日本ではいまでこそ鉄筋と鉄骨を入れるコンクリート建造物は普通だが、「赤れんが造りで両方を使った建物はまだ確認したことがない」と指摘した。
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