舞鶴赤十字病院に異色の新人男性看護師2人 意欲を見せる原さんと永石さん【舞鶴のニュース】
投稿日時:2003年05月27日(火)
倉谷の舞鶴赤十字病院に今春、異色の新人男性看護師2人が就職した。1人は耳がまったく聞こえないハンディキャップを乗り越え、もう1人は大手衣料品販売店の店長から転職した経歴を持っている。同じ看護学校の同期生でもある2人は互いに励ましあいながら、訪問看護やがん患者の緩和ケアの目標に向かって、生き生きと先輩看護師から学び患者と接している。
原貴洋さん(21)=十倉=と永石洋一さん(31)=福知山市天田。2人は今春に国立舞鶴病院付属看護学校を卒業し、現在は舞鶴赤十字病院の3階病棟(整形外科、耳鼻科など)に勤務している。
原さんは小学生のころ、病気が原因で右耳がまったく聞こえなくなった。その後は相手との位置を考えて左耳で聞く習慣を身に付け、日常生活に支障がなくなるまでになった。高校生の時に同居の祖父が脳梗塞で倒れ、車いすや入浴の介助をした体験から看護師を目指した。
その経験を通し将来は患者宅を訪れて看護をしたいと、訪問看護を行う同病院を志望。病院でも仕事に支障はなく、難聴の患者の場合には同じ障害の立場で心を開いてもらいやすく、他の患者にも時間を作っては話を聞き信頼関係を築くよう努めている。
永石さんは大手衣料品販売店に就職したが、仕事への疑問を感じるようになったある日、看護師の妻の真希さんから、入院中の子供が死を受け入れて亡くなった話を聞き、看護の仕事に興味を引かれた。そして転職の決意をし西宮店の店長を辞めた。
看護学生のころ、府北部の病院の医師や看護師らでつくるがんの緩和ケア研究会に出席し、舞鶴赤十字病院の看護師の学ぶ姿が強く印象に残ったことから、同病院に就職した。接客の経験が生き患者とも打ち解けて話ができ、先輩看護師の患者に向かう姿勢に刺激を受けている。
原さんは「永石さんは相談できる心強い存在。男性にしかない魅力を引き出した看護ができれば」、永石さんは「命に関わる仕事なので馴れが生まれないないようにしたい。将来はがんの緩和に取り組みたい」と意欲を見せている。
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