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舞鶴の話を映画化、森崎東監督「ニワトリはハダシだ」 志摩さん(志摩機械社長)製作総指揮で来春全国公開【舞鶴のニュース】

舞鶴の話を映画化、森崎東監督「ニワトリはハダシだ」 志摩さん(志摩機械社長)製作総指揮で来春全国公開【舞鶴のニュース】

投稿日時:2003年07月04日(金)

吉原での撮影の様子。右が森崎東監督、左は俳優の原田芳雄さん(シマフィルム提供)

 舞鶴の近代史を背景にした、舞鶴に暮らす人々の物語を映画化した作品「ニワトリはハダシだ」の製作が進んでいる。「風花」などを製作したシマフィルム代表で、志摩機械社長の志摩敏樹さん(40)=北田辺=が、「喜劇女シリーズ」などの森崎東監督に持ちかけ実現した。明治以降に海軍が置かれて発展した光と、浮島丸事件など歴史にほんろうされた影を背景に、家族の生きる姿を描いている。志摩さん製作総指揮のもと、このほど舞鶴ロケが終わり8月に完成の予定。来春の全国公開を目指している。
 志摩さんは故・相米慎二監督の「風花」の製作に関わり、昨年は「ぼくんち」のロケ地を探していた阪本順治監督に市内各地を案内し、舞鶴の協力プロデューサーとして、ロケのほぼ全てを市内で撮影するのに力を尽くした。
 今春に全国公開された「ぼくんち」では舞鶴でロケがあったものの、舞鶴そのものは物語とはならなかった。自分流の映画作りを貫く志摩さんは、「男はつらいよ フーテンの寅」や「生きているうちが花なのよ 死んだらそれまでよ党宣言」の監督で知られ、ファンでもある森崎監督を訪ね、その思いを伝えると監督が、舞鶴の歴史とそこに生きる人々を物語にした映画を撮ろうと快諾した。
 舞鶴は海軍鎮守府の設置に伴い発展した一方で、住民の強制移転、朝鮮人労働者の犠牲を出した浮島丸事件など、歴史の光に隠れた事実も抱えている。志摩さんは昨年春に森崎監督と脚本家の近藤昭二さんを招き、戦争遺産や歴史背景を説明し、舞鶴歴史研究会などにも引き合わせた。脚本は森崎監督と近藤さんが完成させた。
 浮島丸事件の生存者を母に持つ在日韓国人の女性と夫、その2人の子供たち、養護学校の女性教師と父らが登場し、冤罪事件の中で家族のあり方を描いている。舞鶴の歴史の具体的な説明はないが、それぞれの家族に歴史を投影した。
 出演は原田芳雄さんや倍賞美津子さん、主演で新人の肘井美佳さん、石橋蓮司さんら。5月14日から6月21日まで吉原や鯛建設、みずなぎ学園などで撮影。浮島丸事件の殉難の碑前でもロケを行った。吉原の自治会や婦人会など延べ400人がエキストラで協力した。
 製作総指揮として企画から製作まで全てを担当した志摩さんは「今回の映画は多くの人たちのお世話になってつくることができました。映画を見てもらえれば舞鶴に生まれたことを誇りに思うことができる、そんな共感をしていただけると思います」と話していた。

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