盲導犬ナディー主人公に本出版 谷さん夫妻と2年間パートナー 【舞鶴のニュース】
投稿日時:2002年06月07日(金)
マッサージ業を営む視覚障害者の谷重治さん(60)と芳子さん(59)夫妻=舞鶴市新町=のパートナーとして2年間過ごした盲導犬のナディーを主人公とした本が、「車椅子のナディー」のタイトルでこのほど出版された。盲導犬についての本を多数書いている全盲の福沢美和さんが、最後は車椅子で生活したナディーの話を、谷さん夫妻から聞き取ってまとめた。谷さんはナディーを通して盲導犬のことを理解してほしいとしている。
ゴールデンレトリーバーのメスのナディーは、全盲の谷さん夫妻にとって2頭目の盲導犬として、平成7年から9年までいた。2人の外出を手助けし、谷さんが小学校で盲導犬の話をする時にも同行した。
谷さんとの生活に慣れたころ、ナディーはヘルニアで手術をし、下半身が麻痺しているため、育てられた京都市内の家庭に引き取られた。そこでナディーは下半身を固定させる車椅子を作ってもらい、再び元気になったが、平成11年6月5日に7歳で亡くなった。いまは3頭目の盲導犬アネットと暮らしている。
こうしたナディーの一生を谷さんは、神奈川県箱根町に住む知人の福沢さんに話した。福沢さんは盲導犬の啓発のため、講演や執筆活動をしており、ナディーのことも多くの人に知ってほしいと谷さんから取材し、文芸社から出版した。 盲導犬になるための訓練の様子をはじめ、谷さんとの買い物や郵便局へのおつかいなどの生活ぶり、車椅子に乗ったナディーの写真展のことなどを書いた。福沢さんの知人が谷さんとナディーの挿絵を描いた。67ページ。定価1000円(税別)。
谷さん夫妻は「私たちの心の支えとなってくれました。本は命の大切さについても書いてあり、ぜひ読んでください」と話していた。本の問い合わせは谷さん(電話75・1717、午後5時~6時)。盲導犬の啓発に取り組むボランティアグループ「タラント」は、盲導犬育成ボランティア基金への協力を呼びかけている。
【問い合わせ】電話075・383・5638、関西盲導犬協会。
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