都会のスポーツ紙の記者を脱サラ 定方さん夫婦が無農薬・有機肥料で野菜を作り宅配 【舞鶴のニュース】
投稿日時:2002年06月14日(金)
スポーツ紙の記者を脱サラして、舞鶴の西方寺へ引っ越してきた夫婦が、無農薬と有機肥料を使った米と野菜作りに取り組んでいる。都市の生活から田舎暮らしをしようと、地元の人の紹介で西方寺に移って3年目を迎えた。このほど「オーガニックファーム トムテ」の名前で、自家栽培した30種以上の野菜を消費者に宅配する活動を始めた。2人は試行錯誤と発見を繰り返しながら、ゆっくりとした歩みで進んでいる。
定方克之(さだかた・よしゆき)さん(38)とかおるさん(36)。デイリースポーツ紙の記者だった克之さんが、大阪本社から東京本社へ移動したのが転機となった。神奈川県川崎市に住んだが都市での生活と記者の仕事に違和感を覚え、次第に田舎暮らしを考えるようになった。農業関係の本を読んだり家庭菜園などをする内に、農業へと意志が固まった。
5年間の東京勤務を終え西宮市へ移った。この間、農地と家探しに各地を回った。ある時、農業雑誌で西方寺平の霜尾誠一さんの記事を読み、舞鶴を訪れた。霜尾さんと地元の農業へ取り組む姿を見て、また舞鶴はかおるさんの実家があることから、記者を辞めここで百姓の生活を始めることを決めた。家は霜尾さんが紹介してくれた。 子供2人の一家4人で引っ越し、昨年までの1年間は森林組合に勤務しながら米と野菜を作ってきた。今春から本格的に取り組もうと克之さんが午前中だけアルバイトをこなす以外は、2人で畑に出ている。田んぼ20アール、畑35アールで安全で安心な農作物を作るため、無農薬有機栽培で取り組んでいる。
「トムテ」は北欧の絵本に出てくる家を守る小人。この名前を使って先月から毎週火曜日に会員制の宅配を始めた。8~10品を一箱にしたセット野菜が2000円、4~6品のミニセット野菜は1000円。今月はタマネギなど14種などを栽培、希望を聞くなどして朝取りしたものを手作りの箱に入れ、数人に届けている。
定方さん夫婦は「始めたばっかりなので失敗したり、近所の人に教えてもらいながらやっています。ゆっくりと成長する野菜を見たり、土に触れる生活は発見があります」と話していた。宅配の入会費と年会費、配達料はいらない。宅配の問い合わせは定方さん(電話FAX83・0304)。
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