国内で最も小さい「ハッチョウトンボ」 府の登録天然記念物、市内で初めて採集・確認 【舞鶴のニュース】
投稿日時:2002年06月16日(日)
国内で最も小さく、湿地帯などにしか生息していないハッチョウトンボが、舞鶴市内で初めて採集・確認された。府内では網野町などで生息地が確認されていたが、舞鶴では未採集だった。昆虫の分布調査を続ける「丹後・若狭虫の会」では、市内にも生息している場所があるものとみて、今後も確認作業を続けることにしている。
ハッチョウトンボは体長約2センチまでで、オスは体が赤くメスは茶色。九州から東北までに分布している。休耕田となった田んぼなどにいるが、最近は生息地の減少に伴い数が減っている。府の登録天然記念物にもなっている。
採集したのは同会副会長で宮津市の会社員、富本五郎さん(37)。今月(7月)7日午後6時半ごろ、五老岳山頂でオス1匹を見つけた。ハッチョウトンボは羽が小さいために飛ぶ力が弱く、低い位置を飛ぶ特徴がある。この日、富本さんが連れてきた3歳の子供が自分の目の高さにいるトンボを最初に見つけた。
富本さんは、これまでにもハッチョウトンボを採集しているのですぐに分かったという。「湿地帯がありそうにない五老岳山頂で見つけたのでびっくりした。この日台風の影響で風が強かったので、下から吹き上げられてきたのでは」と話していた。
同会は、これまで舞鶴市内でハッチョウトンボを見かけたという情報などをもとに、市内を探して回ったが確認はできなかった。同会事務局長の安川謙二さんは今回五老岳で確認されたのは、どこかから迷い込んだものと見て、匂ガ崎など五老岳周辺の湿地を調査したが、見つけることはできなかった。「段々生息地が少なくなってきているが、今後も調査を続けたい」と話している。
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