日星高レスリング部 夢舞台が実現
投稿日時:2020年09月25日(金)
日星高レスリング部が、新潟市で来月開催される第63回全国高等学校選抜レスリング大会(日本レスリング協会主催)に出場する。同大会は本来、3月に開催されるはずだったがコロナ禍を受け中止に。その後、関係者らの尽力で開催にこぎつけた。一度は出場をあきらめ涙をのんだ大会に向け、選手らは猛練習に励んでいる。
同部は1月に出場した近畿ブロック予選会でベスト4に入り、全国大会出場を決めていた。創部4年目で勝ち取った栄誉に、校内外から喜びの声が届けられていたが、大会はコロナによって中止に追い込まれることに。「かける言葉が見当たらなかった」と当時を振り返り、同部顧問の三村和人さん(59)は話す。東京オリンピックも延期となり、躍進が期待されていた日本レスリング界にも暗雲が立ち込める中、三村さんは日本が出場を辞退したモスクワオリンピックを思い出したという。当時、選手として日夜厳しい練習に励んでいた三村さんは、苦楽を共にしていた先輩が流した悔し涙を目の当たりにした。咲くはずだった花が日の目を見ない。そんな悲劇の苦しさは、嫌というほど身に染みていた。接触が常となるスポーツ。自粛期間中には練習もままならなかった。夏になると、3年生の選手たちはそれぞれの進路へ向けた準備も始まる中、「練習の意味が見いだせない」日々が続いた。しかし、今月に入って事態が大きく動いた。「何とか集大成の大会を開催しよう」との声が集まり、中止になったものと同様の大会を開催することが決まったのだ。
【嬉しさ半分 複雑な気分】
あきらめていた大会が開催されることになったが、当初は選手たちの受け止め方はさまざまだったという。実際、3年生にとって秋口のこの時期は、進路に向けた準備に非常に重要な意味を持つ時間だ。71kg級の加賀本拳さん(3年)は、自動車整備の学校への進学を目指しており、大会開催決定の報に当初は戸惑いも覚えた。高校までは柔道選手だった加賀本さん。「不真面目だった」と振り返る中学生時代から、人が変わったように練習に打ち込んだ。「キャリアの少なさを猛練習でカバーしよう」そんな思いでつかんだ全国大会だっただけに、目標を失い「何のために練習してきたんだろう」と思うこともあった。しかし、それでも気持ちを切らさず取り組めた背景には、始めたばかりの子どもたちとともに練習に励んできた舞鶴レスリングクラブの存在があった。自分にとっては高校までだが、ともに流した汗は未来へと続いていく。一度はあきらめた夢舞台。今、再び闘志が沸き上がっているという加賀本さんは「共に練習してきた仲間、応援してくれる人たち、指導してくださるコーチ、監督。みんなの恩に報いるために、とにかく1勝したい」と前を向いた。コロナ禍で停滞した当地のスポーツ界だが、選手らの躍動する姿がそうした雰囲気を一掃することは間違いない。悔いのない部活動の締めくくりとなることを願いたい。
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