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市職員有志らの「桜研究会」と地元市民ら 共楽公園で手探りの桜再生に取り組む 【舞鶴のニュース】

市職員有志らの「桜研究会」と地元市民ら 共楽公園で手探りの桜再生に取り組む 【舞鶴のニュース】

投稿日時:2004年02月10日(火)

桜の幹周囲の土を掘り土壌改良する会員ら

 舞鶴の桜の名所として知られる中舞鶴地区の共楽公園で、市職員有志でつくるグループ「桜研究会」(堤茂会長、会員17人)と地元の市民らが、桜の再生に向けた取り組みをしている。戦後に植えられたソメイヨシノなど約700本の桜があるが、ここ10年花が少ないなど樹勢の衰えが心配されてきた。桜の復活の参考にしようと海上自衛隊隊員も参加し、病気の枝の切除や土壌改良などを手弁当で行っている。今春には1年以上にわたる世話が成果となって実るか、楽しみに見守りたいという。
 昭和21年、戦後の荒廃で困窮していた舞鶴市民を励まそうと、進駐していた日系米国部隊員らが70本の桜の苗木を同公園に贈り、市民らが大切に育ててきた。その後も市民らが植樹を続け、4月には毎年、地元自治会や実業会が花祭りを開き、多くの花見客が訪れている。
 50年以上が経過した共楽公園の桜は、ここ10年で花が少なくなっている。公園を管理する市職員は庁内で善後策を話し合っていたが、再生に向けた事業のノウハウがなかった。それなら市民として手探りで何かをやってみようと、呼びかけに応じた職員有志で平成14年10月に桜研究会を結成、その秋からまず同公園でボランティアの活動を開始した。
 桜で有名で青森県弘前市に出掛け世話の方法を学び、桜で木が休眠状態となる秋から冬の間に、枯れた枝や病気の枝などを切り、菜種カスなどの肥料を木の回りの土を掘って入れた。特に弱っている木では、幹の周囲直径2、3メートルの土を根を傷つけずに掘り出し、そこに新しいまさ土と堆肥を入れる土壌改良も施した。これまでに94本の木の世話を終えた。
 今冬最後の活動となった2月7日、約20人がスコップを手に汗をかいて重労働をこなした。地元実業会の会員が手伝ったほか、旧丸山小学校の桜を再生させようと願う小橋区の市民らも、参考にしようと作業に加わった。参加した中舞鶴実業会会長の谷岡年夫さん(62)は「桜の世話はあまりされてこなかったので、こうした活動はありがたい。地元も協力したい」と話していた。
 堤会長は「これまでの活動の成果がどう出るか楽しみ。ここでの取り組みが地域に広がればうれしい」と満開の花の下での花見を思い描いている。

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