昭和28年・台風13号の災害から半世紀 市、体験を後世にと記録冊子【舞鶴】
投稿日時:2004年03月30日(火)
舞鶴などに大きな被害をもたらした昭和28年9月25日の台風13号の災害から半世紀を経たことから、市はその体験を後世に伝えようと、記録冊子「追憶 昭和28年台風13号 カメラが残したあの日のまいづる」を作成した。市民などから寄せられた白黒写真約百点と体験談を掲載。がけくずれで土砂に埋まった民家と救助活動の様子、浸水した町や崩れ落ちた橋などの写真が、災害のすさまじさを改めて教えている。
同28年9月25日、紀伊半島を通過した台風13号は府北部にも被害を与えた。舞鶴では連続雨量471.6ミリ、最大風速40.6メートルを記録し、家屋の全壊が339戸▽半壊1856戸▽床上浸水4602戸、道路の決壊274カ所▽橋梁の流失99カ所。山崩れなどで死者は53人、被災者は約88000人、被害総額は57億5300万円にのぼった。
こうした大きな災害の体験を風化させず、今後の自然災害に対する備えの意識をもってもらおうと、市は昨年、市民から当時を写した写真と体験談を募集した。9人と府舞鶴土木事務所、市消防本部などが写真と資料を提供、26人が体験談を寄せた。
掲載された多数の写真は、山崩れで多数の死者を出した東吉原地区での救出作業▽由良川の洪水で水没した桑飼下▽池内川の洪水で決壊した今田の道路▽与保呂川にかかる万代橋が落ちて仮設橋を渡る人など、災害の惨状を伝えている。
体験談では行永の松岡静枝さんが避難先の地区で土砂崩れに遭い、親類ら11人が犠牲となったこと、当時八雲小学校へ通っていた上安東町の岸本英樹さんが、翌朝大川橋に行くと橋のアーチにカエルやヘビがすずなりだった記憶を振り返っている。
記録冊子はA4判、18ページ。8000部作成し、市内の小中学校などへ配布した。事業費は87万9900円。希望者にも無料で配布する。
【問い合わせ】電話66・1052、市建設部監理課。
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