定置網、台風14号で急潮被害 田井漁協 1統が全壊、1統は半壊 【舞鶴のニュース】
投稿日時:2003年09月26日(金)
台風14号と15号の通過で、沿岸部の海流が急に早くなる急潮(きゅうちょう)が発生し、府内各地の大型定置網が破損する被害が出た。特に舞鶴市内では9月13日に接近した14号により、田井漁業協同組合(水上隆夫組合長、54人)の定置網2統が府内で最も大きな被害を受けた。1統は全壊、もう1統は半壊し、休漁を余儀なくされている。同組合は住民と隣の成生の漁業者の協力を得て、復旧作業を急いでいる。
台風や低気圧の通過に伴って、海面の潮位が変化する高潮被害はこれまでにもあったが、今回の14号の西からの風などの影響で、市内の浜で同13日、最高75センチ潮位が高くなった。急潮は同14日にかけて発生し、府漁連によると伊根や栗田など8カ所の定置網で被害が出て一部で休漁している。続く15号でも蒲入などで被害があった。
田井漁協は馬立島などの海面に3号と4号の大型定置網(長さ400メートル、幅80メートル)を設置。ふだんから網に付いた藻を取り除き、潮流の抵抗を減らす対策をしてきたが、今回はそれを上回る流れで網が破れ、同15日から約1カ月間休漁している。網の被害総額だけで約1億5000万円という。
半壊の3号網の復旧に向け、組合員とその家族総出で網を固定するための碇(いかり)作りをした。袋に50キロのバラスを詰め込んだ6200個の碇を作り、網の入れ替えで被害を逃れた成生の漁業者たちも応援に駆けつけ、同24日から碇を船で漁場に運んでいる。その後、全壊の4号網の復旧にかかる。
今回の急潮について、京大水産実験所の上野正博助手は「海水は風に対して平均して直角に流れる特性があり、今回の西からの風で沿岸部に向かって潮が流れた。さらに低気圧で海面が引っ張られ、西側から陸伝いに波が伝わる作用が重なったのが原因ではないか」と分析している。
水上組合長は「こんな大被害は初めてだが、成生の漁業者の応援に励まされた。復旧を秋の漁期までに間に合わせたい。自然の力に対して謙虚になるとともに対策も考えねば」と話していた。
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