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イタリアの社会的協同組合「コーパプス」理事長来日 「ほのぼの屋」のレストラン交流の夢広がる【舞鶴】

イタリアの社会的協同組合「コーパプス」理事長来日 「ほのぼの屋」のレストラン交流の夢広がる【舞鶴】

投稿日時:2004年11月16日(火)

歓迎夕食会でサンドリさん(右から2人目)と乾杯する参加者たち

 農業を軸に活動するイタリアの社会的協同組合「コーパプス」理事長のロレンツォ・サンドリさん(48)が、「サンドリさんと交流する会」の招きで来日、11月12日に大波下のカフェレストラン「ほのぼの屋」を訪れた。コーパプスでは障害者たちが働くレストランを経営しており、同じく障害者が働くほのぼの屋を視察し、歓迎夕食会も開かれた。サンドリさんと職員らは両国の取り組みの違いなどを話しながら、今後の交流へと夢を広げていた。イタリアには生協や農協などの組合と並び、様々な障害を持つ人たちの暮らしや仕事を支える福祉と雇用が結びついた「社会的協同組合」がある。1991年に国によって制度化され、イタリア全体で約6500の組合があるといわれる。ボローニャ市郊外にあるコーパプスは、1979年に設立。精神障害や知的障害を持つ人たちが、仕事を通して社会参加を実現することを目指し、果樹や野菜栽培などの農業、農産物の加工と直販、レストラン「イル・モンテ」の経営などをする。現在約40人のスタッフと34人の障害者が働いている。約2年前に組合を視察した京都市民らが、京都・舞鶴にも障害者が働くレストランがあるのを話し、興味を持ったサンドリさんをいつか招待したいと思った。その後、新しい福祉のあり方としてコーパプスが日本で注目され、今年2月にサンドリさんを招く交流する会を結成。同会副代表には、コーパプスを日本に紹介した作家の井上ひさしさんが名を連ねた。来日したばかりのこの日、精神障害者授産施設ワークショップ「ほのぼの屋」に、同会の一行10人が訪問。施設長の西澤心さんからスライドを使って共同作業所からのスタートの歴史、レストランで約50組のウエディングをしたことなどの説明を受けた。その後、サンドリさんを囲んで歓迎夕食会を開催。ほのぼの屋では時間をかけて接客の仕事を覚えてもらっている話をし、サンドリさんが耳を傾けた。西澤さんは「山にあるイル・モンテと海にあるほのぼの屋と姉妹レストランとしてがんばろうと言われました。いつかイタリアの福祉システムなどを実際に現地で感じ、日本に応用できないか考えたい」と話していた。サンドリさんは11月22日に離日するまで鹿児島や山形、京都などで講演などをする。

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