舞鶴滞在で浮島丸事件学び交流も 韓国釜山の小学生から大学生ら21人【舞鶴】
投稿日時:2006年01月17日(火)
韓国釜山広域市の小・中・大学生と大学教授ら21人が、釜山に向かう途中で舞鶴湾で起きた浮島丸事件を学ぼうと、1月14日~同16日に舞鶴に滞在した。追悼事業を続ける市民グループの案内で佐波賀の追悼の碑を訪問し献花をしたり、児童養護施設「舞鶴学園」と綾部市内の小・中・高校生らと交流した。また、市民もホームステイを受け入れ協力した。同市のザラナム教会が開設するザラナム読書学校で学ぶ生徒16人と教師らが来鶴。釜山外国語大学校東洋語大学学長の金文吉さん(60)が読書学校で歴史などを教える。韓日関係史を専攻し、浮島丸事件の調査で何度か舞鶴を訪れており、今回日本で歴史学習をしようと企画・引率した。同9日に来日し大阪や奈良などを経て舞鶴入りした。追悼の碑を訪れた一行は献花し、中等部1年の鄭鐘哲(チョン・チョンチョル)君(14)が、事件の犠牲者と帰りを待つ家族の悲しみを込めた自作の詩を朗読した。碑を製作した元中学校教諭の余江勝彦さんから、碑の女性像の顔は釜山に向いていると説明を受けた。2日目は在日本大韓民国民団舞鶴支部の韓国人会館(上安)で、事件を題材にした映画「エイジアン・ブルー」を鑑賞、映画プロデューサーの伊藤正昭さんが「若い人たちがこうした事実を受けとめ、手を携えてアジアの平和を築いてほしい」と語った。その後、舞鶴朝鮮初中級学校からチャングなどの演奏を教わった綾部市の中高校生14人が、サムルノリを披露。続いて、韓国仁川広域市の「シオン育児院」と相互訪問する「舞鶴学園」の子供たち10人も加わり交流し、学校生活や日本で流行する韓国映画などの話題で語り合った。初等部6年の鄭有取(チョン・コチェ)さん(12)は「像が釜山を見ていると聞き、気持ちが熱くなるのを感じました。日本人と初めて話しましたが、みんな韓国に関心が高いと思った」と話していた。滞在中は分宿したが、同民団舞鶴支部がホームステイの受け入れ先を紹介するなど協力した。浮島丸事件は、青森県で強制労働に従事していた朝鮮半島の人たちが帰国のため「浮島丸」に乗船したが、1945年8月24日に舞鶴湾で謎の爆沈をし、549人が犠牲となった。
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