舞鶴高専の男子・女子学生寮 寮生と教職員が協力、無線LAN設置【舞鶴】
投稿日時:2006年01月27日(金)
白屋の舞鶴工業高等専門学校(小野紘一校長)の男子と女子の学生寮で、寮生と教職員らが協力して無線LANをこのほど設置し、全寮生が各部屋でインターネットに接続できるようになった。寮内でもパソコンでネットが利用できる環境整備を要望し、自分たちの手でケーブルとアンテナを取り付ける工事をした。エンジニアの知識を活かした実践の体験にもなり、海外の留学生が母国と交信したり、レポート作成などに利用している。施設内でパソコンとインターネットをつなぐLAN(構内情報通信網)は、線を使う有線とアクセスポイントから電波を飛ばしてつなぐ無線がある。校内には各階ラウンジに1台の有線LANのコンセントが設置され、学生は自分のパソコンを持ち込みつないでいたが、学生総数860人の内、寮生は532人(内女子56人)と多いため順番待ちができたり、ディスクトップ型のパソコンを分解して持ち運ぶなど不便を感じていた。学校側が寮の改修に際し、寮生の要望を聞き取る中でLAN設置の声が多かった。業者の工事見積もりでは950万円以上かかることから、小野校長が学内の手でと指示し、教官と施設・寮務係の職員らの作業グループが昨年9月、無線と有線を検討、経費などの面から無線を採用し、電波状況の実験をした。現場での実践の機会にと寮生らの協力を募り、多くの学生が授業終了後に取り組んだ。ケーブルを張る場所は毎回現場の構造を見て決め、天井板を外して釣り竿の先にケーブルを付けたり、使用していない電話回線の配管に通して、廊下天井に設置したアンテナまで巡らし、外から見えないように配線する工夫をした。女子寮でも女子自ら工具を手に作業した。6棟ある寮の地下から3、4階まで使ったケーブルの総延長は約1200メートル、設置したアンテナは計36基で、費用は約130万円。工事完了後、講習会を開いてネット詐欺への注意を促し、使用時間を午後1時~同11時にすることも決めた。作業グループリーダーで電子制御工学科の和田優教授は「現場でアイデアを出し合う繰り返しで、学生たちは地下に潜ってどろどろになって作業をしてくれた」と振り返る。寮生らは文献の収集やレポートの提出、買い物などに先月から利用する。機械工学科4年の佐近美紀さんは「いままでは1カ所に20人が順番待ちしていた。女子寮のみんなが手伝い、授業ではできない体験がやれた」と話していた。
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