舞鶴の甍の波彩った瓦一堂に展示 10月29日まで市郷土資料館企画展 【舞鶴】
投稿日時:2006年09月05日(火)
瓦を通して舞鶴の歴史を知ろうと、北田辺の市郷土資料館で、企画展「舞鶴の瓦展」が開かれている。田辺城の瓦や大庄屋上野家などの屋根の鬼瓦、亀などの形をした留蓋の瓦など、瓦師の名前が刻まれた江戸から明治にかけて、舞鶴の甍(いらか)の波を彩った貴重な瓦が一堂に並んでいる。10月29日まで。10月1日には倉谷などにある江戸時代の瓦師の史跡を散策する。 舞鶴からは瓦に適した良質の粘土質の土を産出し、明治以降は瓦製造が舞鶴の主要な産業にもなっていたという。昭和30年ごろまで粘土100%のいぶし瓦を焼く窯があった。江戸時代には田辺藩内に倉谷村の大月佐右衛門、大内村の吉田忠左衛門らの瓦師がおり、その名前が入った瓦が見つかっている。 市内の建築物の屋根に使われた特色ある瓦を紹介した。田辺城に使われた丸瓦、江戸末期の竹屋町近藤家の蔵に使われていた、鬼瓦を固定するための鳥伏間(とりぶすま)、明治18年に完成した与保呂小学校の鬼瓦には、「與」と「黌」を合体させた字が刻まれている。 また、仁寿寺(境谷)の明和三年(1766)の大きな鬼瓦ほか、国登録文化財の上野家の鬼瓦には火よけのため「水」の文字が入る。隅棟の傷みを防いだり飾りとして置いた留蓋の瓦も特色があり、大川神社のもの(1820年)はユニークな亀やうさぎを型どり、久田美の民家のもの(1799年)は桃を飾りにしていた。 さらに、田中瓦工業所(溝尻町)会長の田中英郎さん(71)も協力し、昭和15年に実業家の有本國蔵氏によって寄贈された彰古館(田辺城隅櫓)の屋根に使われた、鶴の絵が入った鶴紋の軒巴瓦など、所有する貴重な瓦が展示された。田中さんは「舞鶴の瓦は高い技術で作られ、それを誇りに全国に行っても紹介してきた。展示は瓦を葺く側にも勉強にもなり、同業者を誘って来たい」と話していた。 時間は午前9時~午後5時。入場無料。月曜、祝日の翌日は休み。市民会館内。 「田辺瓦の里 再発見」と題して、10月1日午前10時~正午、大内から倉谷にかけて江戸の瓦師が作った瓦に関連する寺院などの史跡を散策する。定員は30人(先着順、市内在住・在勤者)。参加費100円。
【問い合わせ】電話75・8836、同資料館。
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