不登校児童・生徒の「聖母の小さな学校」 小さな運動会で大きな一歩 【舞鶴】
投稿日時:2006年10月17日(火)
不登校の児童・生徒のための民間教育施設「聖母の小さな学校」のスポーツ・フェスタ2006が10月14日、上安の同学校グラウンドで開かれ、4人の生徒に対して約70人の関係者や卒業生らが応援し、一緒に競技を楽しんだ。生徒たちは否定してしまいたい自分と願いを深く見つめ、話し合いの積み重ねの中でテーマにまとめてパネル絵で表現した。ありのままの自分を見てと一歩踏み出した小さな運動会。温かい光で包まれた。 学校は梅澤秀明さんと良子さん夫妻が、特別養護老人ホーム「寿荘」西側の施設で1989年に開設。過去17年間で約200人が卒業、それぞれの進路に向かった。公立学校の教師らが授業を指導したり、地域の多くの団体が活動を支援。OBらの支える会も募金活動をし、運営を応援している。現在は通学する中・高校生ら4人を含む7人が在籍する。 フェスタは今年13回を迎える。いまの自分の心を見つめ、仲間との話し合いを通しテーマを決め、共同作業で絵に表現する。人前に出るのが苦手な生徒たちにとり、大きな挑戦となる手話歌を披露する。今年も9月から生徒たちは心の叫びに向き合い、「こんなこと(不登校)なかったことにしたい」「本当の自分を見て」などを言葉に書き出し、その気持ちを1人膝を抱える自分と闇の中に差し込む一筋の光の絵にした。 開会式では男子生徒の「中1の2学期から不登校になった。話しかけてくれる人もおらず、たった1人でつらかった。聖母に来て、理解してくれる先生と同じ悩みを持つ仲間がおり毎日でも通いたくなった。今の目標は人に自分のことが出せるようになること」とのメッセージが発表され、女子生徒がパネル絵の説明をした。生徒たちは歌詞に共感した「I Believe」を手話歌で発表したり、出場者に参加賞を渡すなど自分にできることに取り組んだ。 秋晴れのもと、父母、教育関係者、舞鶴西更生保護女性会、準備から駆けつけた社会人の卒業生らも、紅白リレーなどに出場。元中学校校長の青木信一さんが青木賞の楯を贈り、舞鶴ライオンズクラブから図書券が寄贈された。 梅澤夫妻は「今日の成果だけが大事ではない。一緒に考えて努力してきたプロセスを大切にして」「本当に大切なことは心の目でしか見えないことを、生徒たちから学んで下さい」と参加者に語りかけた。
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