過疎と高齢化進む長谷で「ゆずの里」づくり 11月12日、苗木植樹などボランティア募る 【舞鶴】
投稿日時:2006年10月27日(金)
日限(ひぎり)地蔵で知られる山間の集落で、過疎と高齢化が進む岡田地区の長谷(ながたに)区(10戸)を守ろうと、地元の人や若手農業グループが、「ゆずの里」づくりを計画している。1昨年の台風23号で受けた被害の復旧を終え、市や府の支援も受け柚子で村おこしを図る。11月12日にはボランティアの協力を得て、遊休農地に柚子の苗木を植えたり、小豆の収穫作業に取り組む。ボランティアを募っている。 長谷は国道175号から細い山道を約12キロ入った先に、地名が示すごとく長い谷に民家や農地が広がる。隠れ里のような佇まいを残し、日を限って願をかけることから名付けられた日限地蔵は、御利益の高さで知られ全国からの参拝者が絶えず、特に進学や就職の時期に多い。 昭和20年代から21戸が続いたが、現在は10戸14人が住む。特にここ数年で7人が亡くなり一人暮らしの高齢者が増え、80歳以上も6人と半数近い。2004年の台風では、河川と農地に被害を受けた。 そんな集落を守ろうと、西方寺などの若手農業者の「若い衆でやろかい」が同区の遊休農地で小豆栽培を開始。また、地元住民も台風被害の復旧を終え、復興を目指そうと若者や市の協力で、「ゆずの里」づくりを計画した。柚子は寒冷地にも育ち、四国の山間地で村おこしの産品にもなる。兵庫県内の柚子園を見学するなどし、今年3月に130本を植えたが、大雪のため全て枯れてしまい、再度定植に挑む。 農事組合長の剛谷(こわたに)進さん(78)らが、重機を使って遊休地約20アールを開墾し畑の土を入れるなどし、農園づくりを進める。植えて5~7年後には実を付ける。地元で剪定など世話をし、将来は柚子のオーナー制や加工品販売の夢を若手農業者に託す。 剛谷さんは「街の人たちとの交流を毎年行い、将来は移住してくれる人も出てくれれば」、区長の神内正さん(71)は「先祖が開いた耕地はこのままでは荒廃するばかり。若者や街の人に協力してもらい、なんとか残したい」と話していた。 12日は午前10時半ごろから日限地蔵の散策道の補修、購入した柚子の苗木150本を植え、地元の新米のおにぎりやぜんざいで交流する。定員は25人(18歳以上、先着順)。参加費1000円。申し込みは同6日までに市農林課(電話66・1023)。
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