舞鶴の歴史学ぶ同好会の1年間の活動発表 2月末まで市郷土資料館で史料など展示【舞鶴】
投稿日時:2007年01月23日(火)
市郷土資料館を拠点に舞鶴の歴史について学ぶ同好会のこの1年間の活動を発表した展示が、北田辺の同資料館(市民会館内)で開かれている。市民たちが読み進めてきた田辺藩家老を務めた野田笛浦が書いた手紙、踏破した山城の図面と地図、関連する江戸期の西国巡礼の絵図や紀行文なども並べた。知的好奇心と探究心を満たす研究活動の楽しさの一端を紹介している。2月末まで。 郷土の歴史に関心を持つ市民たちが自主的に同好会を結成し、同資料館がその研究活動を支援する。メンバーたちは同館資料室を会場に使い、市や個人などが収蔵する古文書の利用の協力を受け、解読する活動を続ける。また、舞鶴の中世や近世の山城を見学するフィールドワーク主体の「山城クラブ」も作った。現在は5つの同好会があり、月1、2回集まる。 「古文書を読む会」は、江戸時代末に田辺藩の御用大工だった瀬尾家の文書「寸法控帳」などを読み解き、それらの史料を展示した。江戸の昌平校で学んだ田辺藩家老の野田笛浦を研究する同好会は、残されている手紙を史料に読んでおり、糸井文庫に収められている手紙を並べた。2004年に発足した「山城クラブ」は毎月1回、市内の山城を歩く。その成果として図面などを製作した。 近世文書の内、漁村に残るものを浦方文書と呼ぶ。それらを読む会では大庄屋だった佐波賀の斉藤久左衛門家と、船を背負って山を越えたという「大男ニショモン」の伝説がある三浜の大谷西右衛門家の文書を扱っている。それに関連し、田辺藩御用絵師が描き牧野家子爵夫人が模写した、小橋などの沿岸絵図も出品した。 「古典に親しむ会」は、江戸初期の田辺の怪談話を集めた「丹後之国変化物語」を解読し、05年に翻刻版を作成した。その当時の田辺を知る参考史料として、西国巡礼の絵図と紀行文の「わかさの記」を並べた。同好会の参加者は「1人では難しくて読めなくても、集まってああだこうだと話し合う中で、こんな解釈もあったんだと分かって楽しい」と話していた。 入館無料。月曜は休み。
【問い合わせ】電話75・8836、同館。
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