伝統技法で新しい観光土産づくり 「舞鶴巧芸」が西陣織の重ね貼り駆使【舞鶴】
投稿日時:2007年03月16日(金)
西陣織の帯づくりに使う重ね貼りの伝統工芸の技法を駆使して、森本町の「舞鶴巧芸」(田中光代表)が、舞鶴の新しい観光土産品づくりに取り組んでいる。市指定文化財の糸井文庫にある錦絵の図柄を元に、金箔や銀箔、螺鈿(らでん)などを貼り合わせ、七宝かさねの絵を完成させた。すでに1部は市政記念館で販売中。田中さん(57)は「長年培った技でまちづくりに役立ちたい」とする。 舞鶴巧芸は田中さんの父が終戦直後、引き揚げ者らの授産施設としてスタート、1970年ごろから織物関係の仕事を始めた。金箔やアワビなどの貝殻の螺鈿などを着色するなどし、図案を元に特殊な紙に重ね貼りする。それを細く裁断し西陣の業者へ納入。帯を織る際のよこ糸として織り込むと図柄が浮き上がる。 この技法を使った商品や観光土産の製作を、商工関係者やまちづくり団体から勧められた。1昨年に工場の1部が火事で燃え、九死に一生を得た体験をしたこともあり、自分の仕事が地元に役立つならと、昨年秋から製作に取り組んだ。 商品名は「京都舞鶴 七宝かさね」。金箔、真珠、プラチナなど七種の材料を重ね貼りした。4月下旬開館予定の「まいづる智恵蔵」に展示される糸井文庫から、石川五右衛門などの錦絵を題材にしたはがき大の額絵やカード、引揚船「興安丸」の絵、仏画などを創作した。価格もはがき大の額絵で3000円に抑えた。今後、販売場所も増えていく予定。 田中さんは「これまで織物の世界しかつきあいがなかったので、異業種の人ともつながりを持ち、知恵を借りてアイデアを広げたい」と話している。注文を受け製作もする。
【問い合わせ】電話62・0533、舞鶴巧芸。
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