菖蒲谷さんが1通の手紙、出会いの夢実現 演歌歌手の高山厳さんが訪れ握手【舞鶴】
投稿日時:2007年09月18日(火)
車いす生活を送りながらバリアフリーのまちづくりに取り組む安岡の菖蒲谷賢治さん(48)の元に、9月14日、NHK紅白歌合戦にも出場した演歌歌手の高山厳(げん)さんが訪れた。高山さんの大ファンの菖蒲谷さんが、自由に動かない手で綴った手紙に応え、伊根に向かう途中に来鶴した。サインをプレゼントされ、握手を交わした菖蒲谷さんは「夢のよう。とてもうれしい」と感激している。 菖蒲谷さんは筋ジストロフィー症のため車いすを利用し、安岡の身体障害者療護施設「こひつじの苑舞鶴」で生活している。自身の体験から障害者に暮らしやすい街を目指し、「京都府北部の福祉の街づくり協会」を設立し活動してきた。 高山さんは1971年に、ばんばひろふみさんらと「バンバン」を結成。75年ソロデビューし、92年に発表した「心凍らせて」で、翌年の第26回全日本有線放送大賞グランプリを受賞、第44回NHK紅白歌合戦にも出場した。昨年6月、丹後半島を舞台にした「伊根の舟歌」を発表し活躍する。 歌好きな菖蒲谷さんが昨年7月、テレビの歌番組で「伊根の舟歌」を歌った高山さんが、「伊根で披露する機会があれば」と話す姿を見て、「ぜひ舞鶴と伊根に来て歌ってほしい」と今年3月に手紙を送った。便箋一枚に不自由な手で一生懸命気持ちを綴り、高山さんが伊根で歌う場を作ろうと伊根町にも相談した。 想いを知った高山さんの所属事務所でも丹後地方へのキャンペーンを企画し、9月15日に伊根町での敬老行事の出演が決まり、その前日に舞鶴入り。施設で待つ菖蒲谷さんと対面し、実際に歌うことはできなかったが握手を交わしたり、入所たちにも気軽にサインに応じた。 菖蒲谷さんは「読めるか読めないかのような手紙を読んでいただき、夢がかなってうれしい」と感謝し、15日のステージを聴き入った。高山さんは「本当に聴きたいと思う人に、応えたいというのが歌い手の気持ちです。一通の手紙で出会いが実現したことに、人とのめぐり合わせの面白さを感じます」と話していた。
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