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名所再生へ大きな一歩~引土新・本行寺が公園整備

名所再生へ大きな一歩~引土新・本行寺が公園整備

投稿日時:2021年03月26日(金)

 私たちの人生観や価値観を大きく変えた東日本大震災。未曽有の災害から10年が経過したこれまでにも、全国各地では多くの自然災害が発生し、「いつ、どこで、どんな災害が起きてもおかしくはない」と一人ひとりが常に危機感を持つようになってきた。そんな中、「有事の際には避難所になれば」との思いを込め、本行寺(木田慧明住職)=引土新=で公園整備が進んでいる。

 新住職となって1年、境内にビザ窯を造るなどの新たな挑戦に取り組んできた木田さん(65)。桜の季節を前にして、かつての「名所」復活に取り組んでいる。きっかけは昨夏にふらりと寺を訪れた地元住民のひと言だった。「草刈りをさせてほしい」と切りだした友成竜治さん(44)に、木田さんは「最初は戸惑った」と振り返る。聞けば、犬の散歩や子どもの遊び場として最適な寺所有の公園を手入れしたいとの申し出だった。地元住民には、「西山公園」と永く親しまれてきた公園は、先代住職が亡くなって以来手入れが行き届かず、雑草が生い茂り荒れ放題になっていた。「(西山公園は)子どもの頃からの大切な場所。憩いの場として綺麗にしたいという思いがあった」と友成さん。その思いが木田さんの心に火をつけ、「西山公園再生計画」が動き出した。木田さんは「古くから寺は信仰の場所であると同時に、住民が心を寄せる場所」と話し、「寺に人が集えば、その賑わいが地域を元気にする」と力を込めた。

【「サスティナブル」は時代が求めるキーワード】

 本行寺がある地区周辺は、戦前は花街として大いに賑わっていた。当時は春になると、西地区を代表する桜の名所として西山公園にも多くの人が集まったという。境内横の私道を山に向かって上った先にある同公園。今も往時と変わらない眺望を望むことが出来る。「ここに大きなブランコを設置します」と木田さんが紹介するのは、高さ約3mの巨大なブランコ。有志が集って組み上げた自信作だ。また、その支柱には風力発電のためのプロペラと蓄電器を取り付ける予定だという。「こだわりたいのは、いま流行りのサステナブル(持続可能な)社会の構築と、安心安全の提供」と木田さん。災害時にはピザ窯や発電機を活用するなど、寺を防災拠点にする考えだ。それと同時に、地元住民の拠りどころになっていた「桜の名所」の復活を目指し、桜の植樹も行う予定。また、整備する公園にはヤギ小屋を設置し、譲ってもらう予定の子ヤギ2頭の飼育を始めるという。木田さんは「ヤギと大きなブランコ。まさにアルプスの少女ハイジのような世界を、公園に作っていきたい考えています」と笑顔を見せた。
 現在は、人が人を呼び連帯の輪が広がっている同寺。急ピッチで進む公園整備は、今月28日から一般公開をする。同日には、楽しいイベントを企画しており、木田さんは広く参加を呼びかけている。【『みんなで西山公園に山羊小屋とアスレチックを作ろう、そして桜の苗木を植えよう』28日(午前9時~午後3時)本行寺で※雨天の場合は4月4日に順延▼作業内容=ブランコ設置・山羊小屋組み立て・棚作り・しだれ桜の植樹▼参加は作業が出来る服装・軍手着用で▽充電式ドライバー・ノコギリ・カンナ等の道具持参歓迎▼昼頃にピザやパンを焼きます♪(無料)飲み物は各自ご準備を▼※駐車スペースが少ないため、可能な限り徒歩で参加をお願いします▼〔お問い合わせ〕TEL:090・2127・4300、木田さん】

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