「舞鶴ウィルス性肝炎を考える会」結成 薬害根絶へ声を上げ、救済への道を開きたい【舞鶴】
投稿日時:2008年12月05日(金)
薬害肝炎訴訟でカルテがないため原告団になれなかった患者や家族たちが、治療に向けた医療体制や薬害の根絶を国などに求めようと、「舞鶴ウィルス性肝炎を考える会」を結成し活動を始めた。原告団の支援などに取り組む京都市伏見区の尾上悦子さん(71)も来鶴し、1人1人が声を上げて救済へ道を開こうと励ました。被害者の救済は急務なため、同会は活動を広めたいとする。 国会で今年1月に薬害肝炎救済法が成立し、原告団と国、製薬会社との間で基本合意が結ばれたが、救済の前に血液製剤の投与を裏付けるカルテの壁が立ちはだかる。B型、C型のウイルス性肝炎患者は約350万人(推定)。その大半が輸血など不適切な医療行為による感染とも言われる。肝硬変、肝臓がんへと進行する重い病気でもあり、原告以外の被害者は合意は救済からほど遠いとする。 同会の世話人を務める布敷の三宅あきさん(71)は自身も6年前にC型肝炎と分かり、その後の治療で体調は回復したが、苦しむ被害者のため力になろうと、活動を呼びかけた。患者3人や妻を亡くした家族、支援者が加わり、先月(11月)29日、中総合会館にC型肝炎患者21世紀の会代表の尾上さんを招いた。 尾上さんは、手術で血液製剤の点滴を受けたのを記憶しているが、カルテがなく原告にはなれなかった。この日は約40人を前に医師に証言を拒まれたり、仲間が1週間前に亡くなった悔しい思いを伝え、「この問題で黙っている人が多いけれど、1人1人が声を出さないと国はしらんぷりのまま」と率直に語った。 会場からは肝臓がんにまで進行した患者たちが、カルテが見つからないことや高額な治療費を話し、「カルテがなくても医師や看護師の証言があればいい」と尾上さんから助言を受けた。三宅さんは「救済は一部の原告だけですが、苦しい症状はみな同じです。この地でネットワークを作って国に声を届けたい」と話す。
【問い合わせ】電話78・9133、三宅さん
写真=「救済へ道を開くため声を出そう」と励ます尾上さん
【舞鶴】
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