田井地区の愛宕神社・金比羅宮・秋葉神社 「お空の3社」一度に遷宮、集落近くの 山の下に移す【舞鶴】
投稿日時:2009年11月13日(金)
大浦半島の田井地区は、山の上にあった愛宕神社と金比羅宮と秋葉神社の3社を、このほど田井八幡神社近くに遷宮した。標高250メートルの通称「西山」に3社は祀られていたが、建物の老朽化とともに、住民の高齢化で坂道を参拝するのが困難になり、歩いて行きやすい集落近くの1カ所に移した。古くから漁業を基幹産業とする地域だけに、いまも住民たちの厚い信仰を集めている。愛宕神社と秋葉神社はともに、火災を防ぐ火伏の信仰で知られる。金比羅宮は海上安全を祈願する漁業者たちと縁が深い。田井では3社に関する由来などは残されていないが、江戸時代ごろからこの地にあったと住民たちに伝わり、山の上にあることから「お空の3社」と呼ばれている。大漁を祈願する集まりのため、昭和8年にこもり堂が増設された。風雨にさらされ神社の建物が老朽化するとともに、坂道を歩いて30分かかることから、高齢者の参拝が難しくなってきたため、3社をまとめて山の下に移すことにしようと、長年住民たちでその費用を積み立て遷宮を実現した。今夏から田井八幡神社近くの場所を整地し、石造りの鳥居を建て、その奥に左から秋葉、金比羅宮、愛宕、それに付随する太郎坊と二郎坊の総檜造りの社を安置した。 区長の水上隆夫さんは「3社はいまも年配者にとっては心の拠り所になっています。ようやく念願がかないました」と話している。
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