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「引揚記念館」引き揚げの史実 資料が語る 収蔵品の整理作業進み、3月26日から巡回展【舞鶴】

「引揚記念館」引き揚げの史実 資料が語る 収蔵品の整理作業進み、3月26日から巡回展【舞鶴】

投稿日時:2010年03月23日(火)

 平の引揚記念館に引き揚げ者たちから寄せられた収蔵品について、市は昨年5月から資料整理に着手し、約1万2000点の内、約4割にあたる約5000点の整理作業を終えた。過酷な収容所での生活の中、抑留者の命をつないだ防寒着や飯盒(はんごう)、手作りのスプーン、解体直前の「興安丸」などの写真、岸壁の母のモデルとなった端野いせさんの遺品などが含まれる。その一部を展示する巡回展が3月26日から東・西図書館やまいづる智恵蔵で開かれる。舞鶴港は1945年から13年間に、旧ソ連や中国などから約66万人の引き揚げ者を迎えた。88年に引揚記念館が開館し、多くの引き揚げ者たちが持ち帰った品物を寄贈した。一部は記念館に常設展示されているが、収蔵庫に保管されたままのものも多くあったため、市の専門職員が資料の写真撮影、20品目に分類し台帳に記録する作業に取り組む。抑留生活で使った道具の中には、レンガで鋳型を作ってアミル電線を溶かして作製したスプーン、タイヤを燃やした後に残ったワイヤーを材料にした針など手作りしたものもある。引揚船をバックに匂崎で遊ぶ子供たちを撮影した52年ごろの写真、引揚船として活躍した「興安丸」を解体している様子など貴重な写真も見つかった。このほか端野さんが息子を思って書いた手紙、出迎えの旗、引揚援護局の理髪券なども残っており、引き揚げ者とその関係者たちが様々なものを捨てずに大切にしていたことが見て取れる。作業を担当する市企画政策課の稲葉優適さんは「1点1点が抑留者の命をつないだ掛けがえのないもので、引き揚げの史実を訴えかけてきます」と話す。巡回展は3月26日~4月6日は西図書館、4月13日~同23日は東図書館。展示品は各約40点。午前10時~午後6時。5月11日~同23日は智恵蔵で144点を展示する。5月15日午後2時から智恵蔵で展示品の解説をする。いずれも入場無料。

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