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産業立て直しが急務~JMU最終船

産業立て直しが急務~JMU最終船

投稿日時:2021年06月01日(火)

引渡しを控え停泊するばら積貨物船

 余部下のジャパンマリンユナイテッド(JMU)舞鶴事業所で26日、新造したばら積み貨物船を海外の船主に引き渡す式典が開催された。式典には従業員およそ150人が出席。岸壁で船の出港を見送った。それぞれの思いを乗せた貨物船が岸壁を離れると、感極まって涙する人も。貨物船は別れを惜しむように汽笛を鳴らしていた。戦後の舞鶴で389隻目の新造船となった同船は、同事業所で新造する船としては最終。今後、同事業所は新造商船部門から撤退し、修理事業に特化する方針。これにより、旧海軍から続く当地での新造船の歴史は幕を閉じることになった。昨年2月、JMUは同事業所での新造商船部門からの撤退を発表。それによって進められた人員整理では、地域採用社員256人のうち約3分の2が退職。他部門や他事業所への配置転換が行われるとあって、当地経済界に激震が走った。発表後、市や商議所等が連携しこの問題に取り組んだが、方針転換とはならずこの日を迎えた。新造された貨物船はパナマ運河を航行できる最大規格の船で、全長229m、幅32m、深さ20mで総トン数4万4317tに達する。同船は種々の省エネ対策を講じて、燃料消費量を大幅に低減。温室効果ガスの低減にも成功したという。舞鶴の造船の歴史は、1903年に発足した舞鶴海軍工廠に端を発する。以来、多くの駆逐艦などが建造された。戦後になると、工廠の設備は日立造船などの企業に引き継がれ、2013年からJMU舞鶴事業所となった。2009年には南極観測船「しらせ」も建造されるなど、「ものづくり舞鶴」において大きな役割を担ってきた。基幹産業の一部を失ってしまった当地では、新分野の育成など、一刻も早い抜本的な対策の実施が求められている。

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