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逆境乗り越え夢舞台~本市出身の2人が主力で活躍

逆境乗り越え夢舞台~本市出身の2人が主力で活躍

投稿日時:2021年06月04日(金)

 5月29日、インターハイ京都府バスケットボール予選の順位決定戦が行われ、福知山成美高が城陽高を熱戦の末に80対72で撃破。5位が確定し同校4年ぶり8回目の近畿大会出場を決めた。同部には本市出身の2人が主力として所属。大会に向けての意気込みを聞いた。

 チームの命運を分ける府予選5位決定戦は、府立山城総合運動公園体育館(宇治市)で実施された。勝てば4年ぶりの近畿大会。文字通りの大一番となった城陽高との一戦は、一進一退の大接戦となった。前半はリードする展開だったが、チームは後半に入って逆転を許す。しかし、そこから底力を発揮し、最終第4クォーター残り時間5分で再逆転に成功。そのまま逃げ切った。強豪ひしめく府予選の突破は、絶え間なく繰り返された努力と、仲間を想い合うチームの絆が引き寄せた必然の結果だった。同部躍進の中心になった二人は、坂井仁[じん]さん(3年)=引土=と、田中琳士[りんと]さん(3年) =京田=。毎朝6時半には家を出て、帰宅は午後8時過ぎ。バスケに明け暮れた日々を過ごし、たどり着いた近畿大会。チーム結成以来、目標に掲げた「近畿大会ベスト8」がついに視界に入った。
 チームの副将を務める坂井さんは「これでようやくスタートラインに立てた」と表情を引き締めて飛躍を誓った。

【「近畿で会おう」友との誓い】

 神戸市出身の坂井さんは、小1でバスケを始めた。きっかけは従兄弟の影響。母の友人がバスケチームを運営していた縁もあり、早くから競技にのめりこんだ。小中と打ち込んだ坂井さんは、福知山成美高への進学を決意。新たな道は、長く共に切磋琢磨した友人との別れを意味したが、互いに飛躍を誓いあって新天地へ。同部では背番号を空き番号の中から自分で選ぶ仕組みだが、坂井さんは友人がつけることになったと聞いていた「91」を希望。兵庫県の三田松聖高に進んだ友人と、同じ番号で近畿大会を目指す挑戦が始まった。

【コロナに負けず 怪我にめげず】

 市内出身の田中さんは、父の影響で中学からバスケを始めた。それぞれ中学から始めたメンバーばかりの城南中だったが、市内で圧倒的実力を誇る城北中に最後の大会で勝利し優勝。努力がもたらした勝利の味を「より厳しい舞台で」味わいたいと、成美高への進学を決めた。しかし高校でのバスケ生活は順風満帆とはいかなかった。昨年からはコロナの影響で試合はおろか練習もままならず、新チーム結成後初めての大会となった新人戦は、開催数日前に中止が決まった。目標を見失いそうな環境の中、「目の前の努力を積み重ねよう」とチームで話し合い絆を強めていった。そんな中、田中さんを試練が襲う。ようやく再開した練習試合で、右膝前十字靭帯を損傷するケガを負ってしまったのだ。しかし、負傷による仲間の離脱でチームは結束を強めた。府予選の1回戦では、仲間らの計らいで残り1分のコートに立った田中さん。その後はベンチから熱い声援を送り、チームの勝利を後押しした。チーム内の得点王として躍進を支えた坂井さんとともに、二人が続けた努力の日々が手繰り寄せた近畿大会出場。それぞれが思い描いた夢舞台は、今月25日に開幕の予定。これまでの成果が存分に発揮できるよう願いたい。

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