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2年越しの思いを力に西高陸上部 コロナに負けず2選手が 近畿大会へ佐古田遊さん(男子400m)岸田真弦さん(女子走幅跳)

2年越しの思いを力に西高陸上部 コロナに負けず2選手が 近畿大会へ佐古田遊さん(男子400m)岸田真弦さん(女子走幅跳)

投稿日時:2021年06月11日(金)

京都市のたけびしスタジアム京都で4日~6日、第74回京都府高等学校陸上競技対校選手権大会が開催され、上位進出を果たした西舞鶴高陸上部の2選手が近畿大会出場の切符を手にした。コロナ禍で大会が中止となった昨年を経て掴んだ栄冠に、関係者らが喜びに沸き立っている。

近畿大会への出場を決めたのは、男子400mで3位に入った佐古田遊さん(3年)と、女子走幅跳で5位に入った岸田真弦さん(2年)の2人。新型コロナ感染拡大に配慮し無観客で開催された大会だったが、佐古田さんは49秒90の好タイムを、岸田さんは5㍍41㌢という自己ベストとなる好記録をそれぞれマーク。同校陸上部所属選手で2年ぶりの近畿大会出場を決めた。昨年一年間は終始、コロナに翻弄された部活動。インターハイは中止になり、昨年の3年生は最後の大会で活動に区切りをつけることが出来なかった。上位進出が有望視されていた選手も在籍していた中で、部全体が悔し涙を飲む結末となった。自身も学生時代には陸上部で汗を流した同部顧問の田中翔太教諭(25)は「3年間頑張ってきた集大成を発揮させてやれなかったのが心残り」と振り返り、「どの試合が最後になってしまうか分からない。毎回、これが最後という気持ちで全力を出そう」と新年度に残った部員たちを鼓舞し続けた。同部顧問として4年目となる岩佐幸葵子教諭もまた、選手として永く活動してきた自身の経験から「もどかしい思いだった」と昨年を振り返った。コロナ禍により毎日の練習時間は2時間に限定されたが、岩佐顧問は「その分集中力が上がり、質の高い練習を行うことが出来るようになった」と前向きにとらえた。練習も制限され、モチベーションの維持も難しい中ではあったが、部員たちはそれぞれが日々ベストを尽くし地道に汗をかき続けた。

涙を飲んだ先輩たちの分まで

最終学年となった佐古田さんには大会に向けて期する思いがあった。「共に汗を流してきた先輩たちの分まで、とにかく頑張る」。小1から始めた陸上競技。長年取り組んだ集大成となる大会で見事に3位に入った佐古田さんは「先輩方や仲間、家族の支えが背中を押してくれた」と話し、「近畿大会では決勝に残れるようベストを尽くしたい」と意気込みを述べた。一方、2年生で府5位に名を連ねた岸田さん。田中顧問も「(2年生での出場は)とにかくすごい」と絶賛する。陸上を始めたのは小1の時。姉二人の影響だった。高校入学後すぐに決まった緊急事態宣言で、しばらくは部活動もままならない日々が続いた。しかしそんな中でも、「先輩の支えで競技に取り組めた」と振り返る岸田さんは「(大会がなくなった先輩の思いは)自分に置き換えると、その辛さが身に沁みる」と話した。岸田さんは近畿大会に向けて「みんなの思いをしっかりと受け止めて、もう一度自己ベストを更新したい」と力強く話した。6月17日~20日まで神戸総合運動公園ユニバー記念陸上競技場で開催される近畿大会は、無観客での開催がすでに決まっている。観客の応援を力に変えることは出来ないが、支えてくれた人たちや共に汗を流してきた仲間たちの想いを背に受け、二人が素晴らしい成果を発揮してくれることを期待したい。

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