愛した舞鶴の風景 絵画に残す 故阪口さん サンムーンで遺作展 4月4日~8日 息子たち 父を偲ぶ【舞鶴】
投稿日時:2012年04月03日(火)
舞鶴百景などの創作に取り組み、文庫山学園の絵画教室で指導した阪口浩一さんが昨年8月に91歳で亡くなり、遺族たちがあす4月4日から8日まで浜のギャラリー・サンムーンで遺作展を開催する。愛し続けた舞鶴の風景を描いた油彩と水彩の絵画を中心に約25点を展示し、親交のあった市民たちと追悼しようと企画した。入場無料。 阪口さんは宮津市生まれ。京都刑務所舞鶴拘置支所事務官として、1946年に舞鶴に転居し住み続けた。若いころから好きだった絵を独学で描き始め、78年からは二科会理事の吉村勲さんに師事。山歩きが好きでスケッチや写真をとって風景画に仕上げ、上野の森美術館主催の「日本の自然を描く展」で10年連続入選し、92年には優秀賞を受けた。 舞鶴の風景にも力を入れ、職場から近い高野川周辺や文庫山学園からの景色、バイクの後ろに画材を積んで大浦や加佐地区などにも出かけ描き、08年に米寿記念で息子たちが舞鶴百景の作品集を作成した。妻を介護し買い物の途中に、個展を開いたこともあるサンムーンに寄り、美術談義も楽しんでいた。 体調を崩してからは長男のいる京都市の病院に入院したが、病室でもスケッチをして過ごした。昨年亡くなった後、舞鶴の自宅に約260点の絵が残されているのが分かり、息子たちが遺作展で父を偲ぶことにした。赤れんが倉庫、瀬崎の道と民家、船が係留される高野川などの風景画などを並べる。 次男の修一さん(55)=千葉県船橋市=は「1人で黙々と静かに描いていた父ですが、子供のころに尾瀬に写生旅行に連れて行ってもらった思い出があります。書き残した舞鶴の風景を見てもらうことが一番の供養になると思います」と話している。午前10時~午後7時(最終日は午後5時)。
【問い合わせ】電話63・4858、サンムーン
写真左=91歳で昨年亡くなった阪口さん
写真右=瀬崎を描いた水彩画
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