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悲痛な命の叫び 綴る 患者たち 手記集発刊 理解求める 救済には遠い現実【舞鶴】

悲痛な命の叫び 綴る 患者たち 手記集発刊 理解求める 救済には遠い現実【舞鶴】

投稿日時:2012年06月26日(火)

悲痛な命の叫び

 「舞鶴ウィルス性肝炎を考える会」(三宅あき世話人)が、肝炎患者と支援会員による手記集をこのほど発刊した。肝炎から様々な病気を発症した闘病生活や救済されない現実、手記を書き終えた後に亡くなった患者もいるなど、悲痛な命の叫びが綴られる。肝炎問題への理解を深めてと呼びかけている。  肝炎患者は全国で約350万人とされ、大半が輸血など不適切な医療行為による感染とも言われる。全国の患者団体などが国の感染症対策がなおざりだったことで感染が広がったとし、訴訟を起こすなどしてきた。重症肝炎患者への障害者手帳の交付が決まり、国の肝炎基本法が成立した。  肝炎ウイルスの無料検査は一部の医療機関などで行われるのみで、重症患者への医療費助成はなく、肝炎訴訟で救済された原告もごくわずか。舞鶴の会でも2010年にいた38人の会員の内、既に5人が亡くなり、重い病と高額な医療費、いまも差別や偏見に苦しむ患者の声を知ってもらおうと、手記を作ることにした。  手記は92ページ。21人の患者と支援の会員が、自身や家族の闘病や救済への訴えを書いた。原稿を完成させた後に亡くなった患者も1人いる。手記集がきっかけで1人で悩んでいた患者から相談を受けるケースもあった。500部作成した。  ある女性は大量輸血を受けた後にC型ウイルス性肝炎と診断され、インターフェロンの治療による全身の倦怠感など副作用に苦しみ、その後も激しい頭痛、意識消失などに襲われ、肝硬変にと移行して様々な病気を併発して亡くなり、残された家族は絶望感でいっぱいだったと記す。  三宅さんは「訴訟や基本法ができ、肝炎の問題は決着済みと思っている人もいますが、救済にはほど遠いのが現実です。府北部での肝炎専門医の配置など課題も多く、この問題への関心を持ってほしい」と話す。  一部実費の200円と送料200円で配布している。
【問い合わせ】電話78・9133、三宅さん

写真=闘病生活などをまとめた手記集

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