舞鶴空襲 語り継ぐ 編さん委員会 7月29日刊行、手記と座談会収録 平和の集いも【舞鶴】
投稿日時:2012年07月24日(火)
舞鶴空襲を記録に残そうと、「戦争・空襲メッセージ」編さん委員会(蒲田忠夫・呼びかけ人代表)が、元動員学徒ら空襲体験者から寄せられた手記などを収録した本『手記と座談会で語り継ぐ舞鶴空襲』を、7月29日に刊行する。この日午後1時から北吸の赤れんが4号棟で市民の平和の集いも開き、空襲犠牲者への追悼と平和の大切さを伝える。 1945年7月29日、舞鶴海軍工廠に米軍の模擬原爆の爆弾が投下され、翌30日には艦上機の攻撃を受け、動員学徒や工員ら184人が犠牲となった。体験者が高齢化し少なくなる中、戦争の悲惨さと舞鶴空襲の事実を後世に伝えようと、市民九人が呼びかけ人となって手記集の作成に取り組んだ。 舞鶴第一高等女学校など学校や工場別に動員された学徒や住民ら79人の参加を得て座談会を13回開き、次々と話が引き出され具体的な工場の様子を聞き取った。手記は67人から寄せられ、その平均年齢は82歳だった。港で荷役作業をしていた人、爆弾投下を目撃した人らも文章や絵図などを寄せた。 こうした聞き取りや手記の応募の中で、元工員が所有していた海軍工廠の配置図、工廠喜多分工場の写真などが見つかった。また、配置図に記された建物について、関係者の証言で施設名が判明したほか、従来は5452人とされた動員学徒が、今回の調査で7000人を超えることもわかった。 同編さん委員会事務局長の関本長三郎さんは「戦争の風化が叫ばれる中、語り継ぎたいという想いが多くの方にあることに感激しました。そこには戦争はだめだ、二度と起こしてはいけないという気持ちが込められています」と話す。 本はA4版で202ページ。1500部発行する。定価2,100円。申し込みはFAX(62・5736)で関本さんへ。なみえらぽーる店や舞鶴堂書店、ブックスアスカなどでも販売する。 市民の平和の集いは犠牲者への献花に続き、空襲で両目を失明するなど大けがを負った元洛北実務女学校生徒の橋本時代さんら3人が体験を語る。最後に市民へ平和のメッセージをアピールする。入場無料。
【問い合わせ】電話62・5736、関本さん
写真=手記などを収めた本
戦争展 7月27~29日
市政記念館で
2012年平和のための舞鶴の戦争展(同実行委員会主催)が、7月27日~29日、北吸の市政記念館で開かれる。 「原発・原爆・放射能と戦争」をテーマに舞鶴空襲、舞鶴の戦争遺跡、浮島丸事件、戦時下の暮らし、人間魚雷「回天」の模型、紙芝居などの展示や発表がある。午前9時半~午後8時(最終日は午後6時)。入場無料。 28日午後2時からは浮島丸事件などのフィールドワークを行う。費用は1,200円。
【問い合わせ】電話76・8304、同会
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