事件忘れず 平和願う 浮島丸追悼集会 300人静かに想いを馳せ【舞鶴】
投稿日時:2012年08月28日(火)
青森県下北半島で強制労働に従事させられた朝鮮人労働者が、帰国のため朝鮮半島に向け乗っていた海軍特設輸送艦「浮島丸」が終戦直後の1945年8月24日、舞鶴湾内で爆沈し、549人が亡くなった事件から67年を迎える。8月24日、現場近くの下佐波賀の殉難の碑公園で追悼集会が開かれ、献茶や慰霊の舞などで犠牲者に想いを馳せた。 約300人が参加した集会では、主催の浮島丸殉難者を追悼する会の余江勝彦会長が「事件の背景を日本の歴史の中で考え、犠牲になられた人たちの立場になって語り継ぎたい。日本海が友好の船が行き交う平和な海であることを願います」と追悼の辞を述べた。続いて、多々見良三市長や在日韓国・朝鮮人団体の代表たちが殉難の碑に献花した。 今年は韓国茶道協会京都支部のユン・ドウシン支部長が初めて参加し、見つかっていない遺骨が早く故郷に帰り、平和な世界を願って蓮茶を碑と海に向かって献茶した。また、韓国伝統舞踊家のキム・イルチさんが慰霊の舞を踊り、京都朝鮮中高級学校の生徒が追悼歌を歌うなどした。 毎年参加する宮津市の小林美里さん(58)は「どんな思いで亡くなったのだろうと考えます。戦争はどちらの国の市民にも悲しみと傷を負わせます。引き揚げと浮島丸事件の起きた舞鶴は象徴的な場所です」と静かに海に向かって手を合わせた。
写真=爆沈した海に向け献茶をする韓国茶道家のユンさん(右)
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