活魚水槽 クレーン備え 新型漁船で収益アップへ 市内最多の漁獲量誇る田井水産 定置網漁に導入 国から経営支援受け 全国で2件目【舞鶴】
投稿日時:2012年09月07日(金)
田井地区の若狭湾で大型定置網漁業を営む田井水産(丸山好代表)が、経営コストを削減し収益性を高める漁業を目指し、活魚水槽を備えた漁船「第三十一田井丸」(19トン)を新たに建造した。六基の網揚げ機やクレーンも備え、船団も4隻から3隻体制に見直す。水産庁のもうかる漁業創設支援事業に認定され、3年間の経営支援を受け操業する。 府漁業協同組合連合会や府、市などで組織する舞鶴市地域プロジェクト協議会が、省エネ・省コスト型漁業に転換を図るため、最新設備の新型船による漁業の計画を策定し、水産庁の事業認定を受けた。その計画を府漁業協同組合と田井水産で進める。定置網漁で認定を受けるのは全国で2件目。 舞鶴の水産業は、大型定置網漁が水揚げ量の約六割を占め、中でも田井が舞鶴市内で最多の漁獲量を上げ、世帯の約半数以上が漁業に関わり、地域の主産業になっている。しかし近年は魚価の低迷が続き、老朽化した定置網漁船の修繕費など維持管理費が大きな負担になっていた。 そのため網の交換や魚の水揚げに使うクレーンなどの機器、10トンの活魚水槽と海水の冷却装置などを備えた新型漁船を建造。活魚で出荷することで付加価値を高めることができる。総事業費は1億6,300万円。また、資源保護を図るため網目を拡大し、活け締めをする一次加工処理施設を田井漁村センターに作る。 新造船の導入で2隻を減船し、3年後には人件費を800万円削減する。年間の漁獲高は2億5,400万円(平成23年度は2億1,700万円)を目標にしている。赤字が出た場合、3年間は国からその半分が助成される。 同センターで9月3日、竣工式があり関係者たちが完成を祝った。丸山代表は「漁業を取り巻く環境は厳しいが、この船を活用して定置網漁業と地域漁業の振興を図っていきたい」と述べた。
写真=コスト削減と収益力向上を目指した新造船「第三十一田井丸」
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