旱魃と飢餓が深刻な アフリカで食料支援励む 東高出身大室さん 情熱を胸に国連で奮闘中【舞鶴】
投稿日時:2012年10月05日(金)
国連世界食糧計画(WFP)のセネガル事務所で、東舞鶴高校出身の大室直子さん(31)が食糧支援活動に取り組んでいる。アフリカ西部に位置し、旱魃(かんばつ)や飢餓に苦しむ現地に飛び込み奮闘する。中学生のころ、国際協力に関わろうと国連で働くことを目指した。子供たちにもアフリカへの関心を高めてほしいと語っている。 青葉中学校在学時、社会科の教諭から国連難民高等弁務官の緒方貞子さんの存在を教えられ、その活動に心を動かされた。国連では日本人職員が少ないことも知って、国連を目指そうと思った。東高を経て大学に進学し、米国の大学院で国際協力を学んだ。 公益財団法人結核予防会のザンビア事務所に勤務した後、昨年10月から2年間の任期でWFPに採用された。費用負担する日本の外務省から派遣されている。セネガルのダカールにある現地事務所に勤務し、オランダやスイスなど各国から派遣された職員とともに働く。 セネガルはたびたび旱魃に見舞われており、大室さんは国内の作物の状況や食糧不足の地域を調べ、国外から持ち込んだ食糧の配給計画を立てる業務を行っている。配給する食糧は米やひえ、あわなどの主用穀物、サラダ油、塩、豆などを基本とする。 2008年には食糧価格が高騰し、昨年はセネガル南部が深刻な旱魃に襲われたため、食糧の供給量が追いつかない状況だった。全員に食糧を配給できず、家族や子供の多いところを選ばざるをえず、時には何百人に囲まれ非難されることもあった。一方、食糧支援によって子供や高齢者の栄養改善につながり、人の命に関わる重い責任を負うことを自覚する。 今後は配給という形の援助だけでなく、現地の人たちが自ら乾燥に強い作物を栽培し貯蔵管理するノウハウを指導するなど、持続可能で長期的な視点にたった支援の必要を感じている。 大室さんは「日本人が持っている農業分野の技術は役立つはずです。日本人ができることはたくさんあります。政府ODAだけでは限界があるので、民間企業と連携し資金提供を受ける交渉もしていきたい」と話している。
写真=セネガルの地方出張で調査をする大室さん(右端)と出会った子供たち
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