特集「人物館」より 父の背中見て作句励む 東中川裕子(ひがしなかがわゆうこ)さん 陶芸、ニット、俳句を展示 1月31日まで身障センターで【舞鶴】
投稿日時:2013年01月22日(火)
壺シリーズの陶芸、25年以上続けたニット、父から手ほどきを受ける俳句作品を展示した個展を、余部下の市身体障害者センター・サロン「ぽーれぽーれ」ギャラリーで開いている。「こんなことをやっているんだと見てもらう機会になりうれしいです」
仮死出産で生まれ、脳性小児麻痺の後遺症が残った。愛知県の身障者職業訓練校に入学し編みものを学び、1985年からみずなぎ鹿原学園で陶芸などの作業に取り組みだした。同時にブラザー編み物教室にも入った。
壺の陶芸作品シリーズを得意とする。「女王の壺」と名づけた大きな作品は昨年の舞鶴市展で入選した。多数のリングを壺の表面に貼り付けたユニークなデザインは現代アートのようだ。アクセサリーなども作り、学園で販売している。
セーターやチョッキなどを編み、両親や知人らにプレゼントするほか、頼まれて作ったこともあり、多くのニットを製作してきたが、手元に残るものは少ない。教室の講師の体調不良でいまは編み物を休んでいる。
父は俳句結社「風土」同人の南うみを氏。08年ごろ、市内の特別養護老人ホームの俳句会クラブに南さんが指導に訪れるのに同行するうちに興味が生まれ、自分でも作句するように。父からアドバイスを受け生活体験を題材に詠んだ句は「春の雲クリームソーダ泡噴いた」「若葉風喫茶店までパンはこぶ」など、素直で伸び伸びとした目で季節や日常を切り取る。
父から「南ゆふこ」の名前をもらい、作品をまとめた群作が日本文学館出版大賞ポエム部門で佳作を受賞した。「お父さんのおかげで俳句ができるようになった。私の師匠。季語を勉強してもっと上手になりたい」。そんな父への想いを「天高し父の俳句についてゆく」に込めた。
学園に併設する喫茶店でパンの販売の仕事もしている。
展示は1月31日まで。午前10時~午後4時。
【プロフィール】1956年生まれ。京都市出身。若葉学園(白糸中学校障害児学級)、丹波養護学校高等部で学んだ。舞鶴市民俳句大会で特選を受賞。安岡町。
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