太陽光発電で障害者の給料アップへ まいづる作業所 売電事業スタート 遊休農地の活用にも 年間80万円の収益見込む【舞鶴】
投稿日時:2013年05月31日(金)
社会福祉法人まいづる福祉会(黒田隆男理事長)が運営する平のまいづる作業所が、隣接する遊休農地に売電用の太陽光パネル施設を設置し、発電を始めている。年間発電量は1万9200キロワットと小規模だが、障害者たちの給料アップと農地の活用を図る目的で整備した。福祉作業所が障害者の仕事づくりのため、売電事業に乗り出すのは全国でも珍しいケースだ。
同作業所は70人が利用し、木工やさおり織りなど自主製品づくり、ニンニクの栽培、下請作業などに就き工賃を得ているが、低賃金にとどまる。軽作業も難しい重度の障害者にも、1円でも多くの給料を保証できる仕事の開拓を課題にする。
注目したのが再生エネルギーの買い取り制度を活用した事業。昨年度の買い取り価格は1キロワット当たり42円で、20年間補償される。高齢化で地域に増えている耕作放棄地の有効活用や、災害時に施設内で使う人工呼吸器などの電源確保にもつながると判断した。香川県宇多津町の障害者福祉事業所では、大規模発電所(メガソーラー)を作り、年間3,000万円を売り上げているという。
約374平方メートルの農地に、4列で計96枚の太陽光パネルを設置した。最大出力は24キロワットで、日中の家庭で使われる約20世帯分の発電量になる。全量を発電会社に売却し、年間80~90万円の収益を見込む。利用者たちが周辺の草刈り、パネルの清掃などを担当する。
支援員の泉伸也さんは「地元の皆さんの理解と支援でこの事業を行なうことができました。利用者たちも自然エネルギーの発電の仕事に就労意欲が高まっています。今後も地域と一緒に発展できる取り組みを続けていきたい」と話している。
写真=96枚のパネルを設置した太陽光発電所
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