目標に向けまた一歩 日星看護科の小野寺さん 実習認定式 被災地から入学 「母のように信頼される人に」【舞鶴】
投稿日時:2013年11月15日(金)
舞鶴市上安久の日星高校で11月9日、看護科5年課程の実習認定式があり、2年生35人が式に臨んだ。東日本大震災で被災した宮城県岩沼市から入学した小野寺泰世(たより)さん(16)も、ナース服に身をつつみ、病院実習へ一歩を踏み出した。「多くの人たちから応援してもらっています。被災地に戻って立派な看護師になりたい」と目標に向かって想いを新たにする。
実習認定式は病院実習の前に、看護者としての心構えを確かめ決意を表明する。生徒たちはキャンドルサービスを受け、「私たちの言葉と行いの全てが、病める人に希望と勇気をもたらすものとなりますように」と看護の祈りを唱和した。
小野寺さんは地元の私立高校に合格していたが、被災地出身の生徒を支援する制度を作った日星高へ、看護師を目指して入学。寮生活をしながら勉強を続ける中、市民から励ましの声を掛けられている。毎月1度の寮からの一斉帰宅日には、市民の元でホームステイを体験している。
日星高の生徒たちは被災地でボランティア活動を継続しているが、小野寺さんも今年の夏に南三陸町でがれき撤去を手伝った。被災地の様子を尋ねるクラスメートたちもおり、関心を持ち続けてくれる。
認定式を終えた小野寺さんは「日星に来てとても充実しています。きょうは看護師になる自覚を改めて感じた。実習で多くの人から学び、母のように信頼される人になりたい」と話し、友人たちと笑顔を交わしていた。
式に出席した保健師の母、由紀子さん(45)は「たくさんの人の支えがあって、娘はここまでこられたのだと思います。心新たにしてこれからもがんばってほしい」と成長した娘の姿を見つめていた。
仙台平野に位置する岩沼市は、津波で市域の約50%が浸水し、約200人が亡くなった。現在、集団移転の土地が決まり高台や公営住宅の造成工事中で、来年夏から移転が始まるという。被災した市の病院も今年6月から再開したが、医療スタッフが不足しているため震災前より診療科を減らしている。
写真=認定式を終え友人たちと笑顔で記念撮影をする小野寺さん(中央)
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